夏休ナイフを研いでをりにけり
>夏休み独立宣言する息子 兎波
それで思い出したのはニューヨークの海外駐在員の家族の子どもの小学生が夏休みにニューヨークの離れ小島の無人島に中学生の引率だけで食パンだけで一週間だか二週間だかサバイバル生活を体験する課題があって見送りに行ったが、大人が参加せずに子どもたちだけで釣りとかハンティングをしながらトムソーヤの冒険ではあるまいし、アメリカって子どもの自立には凄いことするなと吃驚したことで、そう言えばボストンの友人宅では子どもたちを完全に大人扱いをして政治的な意見も真面目に聞いて受け答えしているから、日本の子どもを子ども扱いする文化とは全く違うなと感じたことを思い出した。デンマークなど赤ん坊を零下の寒さで晴れていたとはいえ乳母車で外で寝かしていたから、ヴァイキングに育つわけだ。若いうちに世界を見て回ると文化の違い肌の色の違い言葉の違い、いろいろなそれぞれの文化の違いがわかる。
わたくしはコンピュータの世界にいたので国内外を三十年渡り歩いたのでそういうお国柄というのだろうか、その違いが面白くていずれのお国柄にも親しんだので、特に料理や映画や音楽や小説や詩を愛したのでどこへ行ってもその土地の風土、料理は、観光地よりも先ず市場や本屋や飲み屋に親しんだせいで普通のツーリストよりもその違いを違いとして受容できたことが、人生の岐路で役に立ったように思える。誰にでも故郷はあるし慣れ親しんだ地元の文化は誇りとして誰もの心にある。それがわかるのとわからないのでは人間の交友は大きく違う。
今日は新宿でカメラのパーツや友人の絵画の個展を見て回り、秋葉以上に新宿が国際化しているのを肌で感じた。まあ、モデルのような海外の美女が多いこと。海外では町で美女など見かけたことないから驚き桃の木山椒の木である。1968年(昭和43年)にここで機動隊と学生が騒乱を起こした街とは思えない。わたくしも紀伊国屋の前に立っていたのだから。あれから55年。まさか新宿がこんなちゃらい街になるとは・・・。まあ、平和だということだろう。
そうそう、妙正寺川の高台に引っ越して十年になるが、独立宣言した息子が出て行ったのか、娘が嫁いだのか、二階が空き部屋になっていて窓が締まっている家があるのだが、なぜ気が付いたかというと、100%の確率で戸袋に椋鳥が巣を作っていて、親鳥が餌を持って来た時だけ雛鳥が鳴き喚くからである。
をちこちの戸袋に鳴く雛は椋
椋鳥の雛の巣立ちを呼びかくる
善福寺川に棲んでいた時は戸袋には四十雀が巣を作っていたと思ったが、妙正寺川は椋鳥か。無事巣立ってくれればいいが。逗子・鎌倉ハイランドでは燕が巣くって、無事育つと二階の書斎前の電線に並んで囀っていたものだ。だが、鎌倉は烏と蛇が来て、カラスは撃退したが蛇はお手上げだった。青大将だったか、柱に体を巻き付けて振りほどいた反動で体を巣にぶつけて破壊したのである。自然の生き方に啞然とした。