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スレッドNo.186

台風はいづこにゆきし秋夕焼

昨夜から台風が来ると身構えていたが雷雨が二度ほどあっていつ来るんだろうと夜更かししている間に寝落ちして朝5時前にでっかい一匹のみんみんの声で目が覚めた。一匹でもやかましい奴やなあみんみんちう奴は、なんちう頑丈な声や。
さて、美しいC掲示板、しゅっしゅっぽっぽB列車掲示板と来て最後はきっこさんの青空掲示板Aですが、これがBCと違って倍近い2812アクセスと投稿数が多くて、しかもきっこさんが管理人だから禁止用語ばんばん使うんで、ダメよダメダメつらいのと~差し戻されて時間がかかるのなんの、大変なんすからもお、と林家三平まで出て、さて行きまひょか。

     ☆俳句deしりとり青空掲示板 A(猫髭好き句)☆

八月のライカの中の少女かな きっこ
◆ライカは世界最高峰のドイツのカメラで特にレンジファインダーの35ミリカメラM3はプロからアマまで世界中で愛されて一世を風靡した。そのレンズの描写力は他の追随をゆるさなかったが高価だったので垂涎の的だった。ドイツに仕事で行った時ライカを買おうとカメラ店に入ったらドイツでも高くて手が出なかったが、日本のカメラ(CanonやNikonやMinolta)がライカと同じくらい高かったので唖然とした。わたくしはカメラを8台所有しているが、その中にいまだLeicaはない。『ちびまる子ちゃん』のたまちゃんのお父さんは持ってるのに。まあ、そういうレンズで撮られた八月の少女である。ファインダーから見える少女が見えたままに写るという当たり前のようでどのレンズも出来なかったことをライカは軽いシャッター音を響かせて実現する。カラーがまた惚れ惚れするような色合いである。

駆け出して一番乗りの夏野かな ハジメ2018
◆A掲示板初投稿の句。シンプルで明るく草いきれが匂う。いつも言いたいことを詰め込み過ぎて俳句に無理ばかりさせているが、この句は芭蕉の「俳諧は三尺の童にさせよ」(『三冊子』)である。「写生は浅く写すことから始めなさい」これは虚子が新人に言った言葉。こう言われた新人は死ぬまでその言葉を守ったそうな。俳人の名は京極紀陽。「性格が八百屋お七でシクラメン」。シクラメンの性格がお七って(笑)。

お披露目の路地裏めぐる神輿渡御 ジーナ
◆「の」が「や」に近い切れを漂わせる。きっこさんは「お披露目や路地裏めぐる神輿渡御」と指導するかもね。

日盛りやカーテン越しに水の音 撫子
◆中七が初五の陽の強さと座五の打水か娘のビニール・プールの水の音かの涼しさを隠してつないでお見事。猫髭☆。

うなぎの日まかなひさんの下駄の音 兎波
◆割烹を着たまかないさんが浴衣で鰻の白焼きなんぞを軽やかに持って来るよう。山葵醤油で冷や酒(常温)で一献。

茂よりのそりと猫の通り過ぐ ラスカル
◆鰻の匂いを嗅ぎつけたのか茂(しげり)より出て来て通り過ぎるのかふりなのか微妙な展開も。「茂」は「万緑」と並ぶ真夏の季語。

石段のまだ濡れてゐる蝉時雨 ラスカル
◆夕立が止むと知っての蝉時雨。野分が来ることもまた蝉は察知して鳴かない。

熱帯魚間男全裸妻半裸 きっこ
◆「ザ・修羅場」全裸に半裸なので合体前か(おいおい)。

孫の手で叱る柴犬夕端居 兎波
◆面白いし中七も頭韻を踏んでるし、技ありの一句。

首落し絵の如蝮しみじみと 兎波
◆Kubiotosi Enogotomamusi Simijimitoとi音とo音を繰り返して「死」を浮き彫りにして「絵の如」とそれを一幅の絵として詠まれた俳画。肝の据わった句である。

白南風や糊の利きたる割烹着 きっこ
◆「猫髭さんの<夏山の割れんばかりの山彦ぞ>の「割」の字をいただきました。前の人の季語や単語をそのままいただくのも構いませんが、このように「ひねり」を入れて繋げると発想力や瞬発力の鍛錬になります。」だそうです。盗み方を工夫しろという「泥棒は俳人の始まり」という諺はここから来ています(笑)。

生身魂より福耳を褒めらるる ラスカル
◆猫髭の「耳鳴り」から「福耳」へのスリ技でめでたい句に。ね、盗むのうまいでしょう、きっこさんやラスカルのラベルになると。

生身魂すらすら言へるお菓子の名 ぴのこ
◆母がそうでした。認知症で介護度3なのに町の和菓子屋洋菓子店全部休みの日まで言えました。しかも買い過ぎて怒られるので犬の餌箱に隠してたのには参った。お母ちゃん、犬がどうしてマドレーヌを十個も食うんだよ。

生身魂屋根裏部屋の㊙本 兎波 
◆生御霊に血が通ってきましたね。ちなみに介護講習で最初に習うのが「男性は年を取ると性欲はなくなりますが女性は死ぬまでなくなりません」というもので(実話)女性を介護する時には最後まで女性として接してくださいというものでした。

夏草や変態どもがイキしあと きっこ
◆兎波姐さんが出てくると嫁が君の撫子さんも出て来て一句「ため息と吐息と草いきれのなか」にきっこさんが繋いで、かつて「俳聖」と呼ばれた人物が「下ネタも 俳句に詠めば 芸術よ」と詠んだように(誰だそりゃ?笑)、どのような下品な言葉でも、五七五という定型に収め、季語をトッピングすれば、一見、芸術作品のように見えるものです(笑)、ってアップする身になってよ~、このBBSは禁止用語に厳しくてダメダメのダメ押しされると通すの大変なんだから、この●●娘どもが。

水中花に小さき涙のやうな泡 ラスカル
◆猫さん得意の尾籠な「水中り」の句に水中花を持って来るとはさすがハイヒール星の王子様。それも「小さき涙のやうな泡」と、まあポエムチッ句のロマンチッ句だこと。ノラ猫と魔女には詠めません(笑)。

絶え間なく水輪生まれて夏休み ラスカル
◆何の水輪かは読者の読みにゆだねる省略の効いた一句。

大なすび小なすびどれも子規は好き 茂雄
◆兎波さんの「大人一小人六名夏休み」の大小をつないで子規の貪欲なまでの食欲を詠んだ王道のひねり技、お見事♪

連絡船両手に西瓜渡さるる 兎波
◆「手」からつないで、鮮やかなまざまと見える景を描ける兎波さんの挨拶句に拍手♪

腸活の夢にも見そうかき氷 ハジメ2018
◆「腸活」というものがトレンドになっており、体調だけでなく美容や性格まで変えるとか。多分日本で初めての腸活俳句だと思う(ということは世界初)。腸活句と言えばハジメ2018さんが第一人者です(拍手)。

道化師の浜に朽ちたる夏の果 きっこ
◆まさか道化師「アルルカン」からフェデリコ・フェリーニ監督の『道』が上映されるとは。「夏の果」が動かない。この句を思い出すたびGelsomina(ジャスミンのこと)の哀しみの顔と笑顔が浮かび音楽が流れます。フェリーニは彼女に日本の能の動きをかぶせたと言っていましたが太郎冠者のような(笑)。猫髭☆。

老朽の天井桟敷夏の宵 ハジメ2018
◆次にフランス映画の超大作『天井桟敷の人々』が出て来るとは。しかし、あんな長大な三部作一般映画館でもTVでもやらないから偶然かもと、今感賞していて思いましたが、偶々だとしてもしりとりの面白さで、昔は畳敷きの桟敷席が田舎の映画館の二階にあり、TVがなかった時代ですから家族で夕食後見に行ってお岩さんの時は桟敷席の仕切りに隠れてました。お父ちゃん、お岩さんいなくなったと聞いていなくなったと言われて顔をあげると川流れの戸板が裏返ってお岩さんが、どっひぇ~という、以来わたくしゾンビも13日の金曜日もダメ▼▼死んだら動くな歩くな!
そうそう、認知症の高齢者専門施設が出来たけど人手が足りないので助っ人に来てよと頼まれて行ったらゾンビ映画がかかってる。当番の姉ちゃんに聞いたら、あたし何かけたらいいかわかんなくて家から自分の好きなの持って来たの、ってみんなゾンビになっちまうぞバカモノ、他に何もって来たのと見ると『逆噴射家族』、パカタレが、もう懐かしの歌謡曲番組でも流しといてとDVDは没収したが、いるんだゾンビ・ファンが世の中には。

異邦人夏の浜辺をよこぎりぬ ぴのこ
◆「きょう、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない。」カミュの『異邦人』の窪田啓作訳の冒頭は当時読んだ者が一生忘れられないような衝撃を受けた。フランス語の「ママン」の響きに魅せられ、自分の母がいつ死んだのかすらわからないという日本人には想像もできない不条理な衝撃。もう半世紀以上前の小説なのに暗誦出来るのはそういう鮮やかな冒頭が当時多かったからで、ポール・ニザンの『アデン・アラビア』の「ぼくは二十歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい。」とかインパクトがあった時代だった。

猛暑より熱き藤村甲子園 きっこ
◆猫の「学ランの塩吹く夏の甲子園」に付けた、この「藤村甲子園」人名です。しかも水島新司の野球漫画『男どアホウ甲子園』の直球しか投げないピッチャーの(笑)。「熱き」わけです。この機転とウイット。
41年連載した野球漫画の金字塔「あぶさん」で有名な「大虎」という居酒屋は実は大阪にはなく、わたくしが下宿していた国分寺にあった。ジャズ喫茶「モダン」の向かいのテントに電球を吊り下げたような飲み屋だったが「あぶさん」の漫画がかかっていて本人は下戸とのこと。

直球の営業電話切る炎暑 佳音
◆さすが『男どアホウ甲子園』から「直球」の一句。阿吽のしりとり。『増殖する俳句』の清水哲男さんと「石鼎座談会」の後の歓談会で飲んだ時、佳音さんのことを話したらよく覚えてますよと笑っていました。
1975(昭和50年)年の詩集『スピーチ・バルーン』は今でも渋谷の「大盛堂」で買った初版を大切に持っています。憧れの詩人でしたが、まさか俳句の席でお会いするとは。

猫髭余言:『増俳』にはハイヒールゆかりでは、きっこさん、馬場龍吉さん、水星人さん、かもめさん、ラスカルさん、佳音さん、朝比古さん、うさぎさん、浦川聡子さん、岩淵喜代子さんらの句が並ぶが故人では渡辺夏紀の『地震百句』があり、清水さんが百句を読みたい人へ「きっこのブログ」のリンクを貼っている(http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2007/01/post_b0f9.html)。偶然が奇跡を呼ぶことがあり、夏紀さんがわたくしが所属している結社の同人だったため(闘病中だったが亡くなられた)結社が持っていた百句(実際は94句)ときっこさんが公開した百句(実際は94句)に異同があり、どちらも六句の欠損があり、照合して初めて『地震百句』が完成して陽の目を見た経緯は以前ハイヒールでも報告したが、teacupの消滅と共に消えたので、再度わたくしが再校正して「旧かな原本」と「新かなきっこ普及版」と二種類作成して「ハイヒール図書館」の「きっこの句集」に追加します。これが永久保存版の『地震百句』となれば幸いです。

万緑や手作り菓子の披露宴 ハジメ2018
◆「手作り菓子の披露宴」に式場の御仕着せではない親しい家族友人だけのこじんまりとした披露宴が見える。

八月のジャンクメールをめつた切り 兎波
◆腕力のある詠みっぷり。

二の丑に財布の軽き夏の果 きっこ
◆同じ季語でもLa Stradaの哀愁との落差のあるとほほ感。

ポスタアの剥がれるやうに夏了る 茂雄
◆台風はどこに逸れたか蒸し御飯で、17時過ぎても♪西日だけがあたる狭い部屋でひとり僕は校正してる~、で室温既に35℃突破というゴキブリも熱中症で死ぬ暑さ。いつもは夏が暑いの当たり前と痩せ我慢をするのですが今年の夏は命がけ。体温超えたらクーラーつけます。アパートの前のポスターも暑さで、ポスタアの端から剥がれかけてをり、と爽波状態です。

不規則に揺るるコスモスへ猫の手 ハジメ2018
◆規則的に揺れるコスモスなどないから言わずもがなのぎくしゃく俳句だが、猫の手だから猫じゃらしのような花と猫のやりとりが逆に見えるようでこのぎくしゃく感が妙に合っている。

銀漢の源流をいざ見に行かん ラスカル
◆コロラド公園近くの高地にあるベッドと朝飯だけの民宿に泊まった時、二階のベランダのデッキチェアに腰掛けて椅子を倒して寝転んだら、いや空から手の届くような距離に天の川が流れ、星も掴めるようで、さすがコロラド川の源流の近くだなと感じ入ったことを思い出しました。猫髭☆☆☆。

立秋の踏んばる東京タワーかな 灌木
◆灌木さん、あなたビックルと間違えてピック何本飲んだのよ。きっこさんと「湯豆腐句会」の管理人選の常連の癖に上五だけ変えた句集のタイトル句アップするなんて、デッドボール(笑)。

秋の風東京タワーの股の下 兎波
◆ねずみ部屋じゃないんだから、なによ「股の下」って(笑)。

コスモスのブーケ受け取る車窓かな 撫子
◆suzumeさんのヘルプで「きっこ俳話集」一気に公開へ舵を切る挨拶の一句。

ウインドウズ開く私は秋扇 兎波
◆兎波さんも能登のねずみ部屋から駆けつけての援護射撃。WEB句集は保管済みでしたが、実はWEB句集の「◆きっこの俳句を批評◆」が見当たらず、同時配信出来ないなあと悩んでいたら、suzumeさんが持っていましたので、きっこさんの「ににん」の岩淵喜代子さんの情報で、照合すればほぼ完璧となります。suzumeさんのお陰で一気に「ハイヒール図書館」の蔵書の完璧化が計れるしりとりの流れです。

秋潮やサンドクラフト聳え立つ suzume
◆陰の功労者suzumeさんの初投稿を記念して。サンドクラフトとは砂のお城のようなものかと思ったら、秋田県山本郡三種町サンドクラフトの釜谷浜海水浴場の砂像イベントを見たら、札幌の雪祭のような巨大な砂像で1997年(平成9年)から25年近く開催されており、砂像彫刻家というプロが世界中にいるそうで、「砂像プロデューサー」を務めている保坂俊彦さんの話だと専用の凝固剤をかけて表面の数ミリのみ固めるそうで、少しでも力を加えると崩れてしまうが、多少の風雨なら大丈夫とのこと。いや、「猫髭も知らない世界」があるんだ♪

花野へと鼻突つ込んでレトリバー 撫子
◆レトリバーはゴールデンもラプラドルも温厚で盲導犬としてよく使われますがブラックは全員やんちゃ。遠くからわたくしを見かけても遊んでくれるとダッシュで飛びついて来ます。おまえさんの甘噛みはいてえんだよ。ブルドックも甲斐犬も土佐犬もわたくしにはよくなつくので同類だと間違いなく思ってるよあいつら。

踏み台に乗つて背伸びの盆用意 兎波
◆座五の「盆用意」が初五中七をすべて受け止めている。

革化けて靴となりたる花野かな きっこ
◆パカヤロー。竹という字はカタカナでケケと書くのね。

八月のカレー名づけて盆カレー きっこ
◆月曜は「八月十五日年金記念日」で~す。

遠き世のひかりの中の懸煙草 茂雄
◆懸煙草というのは収穫した大きな煙草の葉を縄で結わえて乾燥させることで茨城は専売公社があるので結構厳重に監視されていました。水府村の懸煙草の匂いとかもう六十年も経つのにショートピースの匂いのように思い出す。確かに今となっては遠き世の匂い。

煙たさも失せて炭都の盆の月 句念庵
◆「炭都」(たんと)というのは辞書にはないがぼた山があった福岡ならではのリアルな呼び名だろう。子どもの頃は風呂も達磨ストーブも石炭だったから七輪の練炭も炭団も子どものお使いでリヤカーを引いて買いに行った。常磐炭鉱は石炭業が斜陽化して後にハワイアンセンターとして生まれ変わり2006年(平成18年)李相日監督の『フラガール』の映画化で、当時の映画賞を総なめにする大ヒットとなるが、あの映画のラストシーンの松雪泰子演じる平山先生を引き止める蒼井優演じる紀美子ら生徒たちの駅と列車のシーンはわたくしの故郷那珂湊駅の湊線でのロケだった。フラダンスの踊りの形が心からの挨拶だとわかるシーンで、俳句の詠み手と読み手の合作のラストシーンでした。
「煙たさも失せて」に滅びゆく炭都の哀愁が漂い、座五の「盆の月」で明るく歌い踊る「炭坑節」が聴こえるようで、これこそ「句念庵にしか詠めない句念庵らしい句」ではないか。
しかし、「紫は水に映らず花菖蒲 高濱年尾」を付けると付録のほうが豪華で目移りする。

工場の小波スレート月渡る 撫子
◆お月様がスレートにお尻ごつごつ擦られるようで痛そうなお月様。

「持ってげ」とをぢさんの積む西瓜かな suzume
◆はい、膨大な「質問箱」と「添削箱」もいただきました。撫子さんのきっこさんへの初めての添削など公開していいのかなあ。誰やねん、季語を仰山詰め込んで(笑)。

こら誰や西瓜に顔を書いたんは 撫子
◆あかんあかんとオカンの出刃包丁が飛んできそう(笑)。

淀川長治式ええとこばっか感賞でしたが、俳句は「言いたいことは言わない」と「言いたいことを言う」の両極の間を行き来するミラーボールのようなものですが、こうして皆さんの全投稿された俳句を渉猟していると、わたくしは良い俳句に出会うのが何よりも好きなノラだと実感します。例えば渡辺夏紀さんの『地震百句』を今回新たに校正し直して、こんな素晴らしい俳句に出会え、それを夏紀さんが望んだ形でやっと残せる仕事をしたことで、今も腰が痛くて立って打っているんですが、疲れなどどうでもいいほど癒されました。「ハイヒール図書館」の「きっこの句集」に近日アップしますので是非お読みください。

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年08月15日 09:37)

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