金目鯛枯蟷螂と邂逅す
皆さん、こんばんは。
川を見て羽子板市へゆく途中 岸本尚毅
青大将実梅を分けてゆきにけり 〃
くちなはのしづかに下駄の方へ来る 〃
墓石に映つてゐるは夏蜜柑 〃
梅の実を映して黒きハイヤーよ 〃
鰭酒の鰭を食べたる猫が鳴く 〃
べつたりと河豚を載せたる秤かな 〃
歩みゆく霧の中よりチユーリツプ 〃
作者の名前を伏せたら、どの句も波多野爽波の句だと思ってしまうくらい、爽波っぽいですよね。
自分の憧れる師の作風を模倣することと、精神性のみを受け継いで自身の作風を確立することのどちらが良いのか、あたしには分かりません。
ただ、爽波の句が大好きなあたしとしては、これほどまでに師の作風をなぞってくれた弟子の存在は、とても心強いです。
特に、飯田龍太が絶賛した次の句は、あたしも大好きです。
河骨にどすんと鯉の頭かな 岸本尚毅
それから次の句は「金目鯛」を奥さんの岩田由美、「蟷螂」を岸本尚毅だと思って読むと、めっちゃ楽しいです♪
金目鯛買へば蟷螂ついて来る 岸本尚毅