行き合ひの空へ木綿のハンカチーフ
>秋天に翼の折れたエンジェルや
「翼の折れたエンジェル」と云うとわたくしの世代は生島治郎の私小説『片翼だけの天使』(集英社 1984)を思い出す。中年のミステリー作家が妻と別れたあと韓国人のトルコ嬢と仲良くなり、結婚して離婚するまでのシリーズがある。話題になったのでうらやましいとは思ったがベストセラーは読まないし私小説ならなおさらうらやまらしいから読まない(笑)。読まないのになぜ知ってるかというと、生島の離婚した妻の小泉喜美子の大ファンだからである。小泉喜美子もミステリー作家だったのでひとつの家にミステリー作家が二人居て毎日人殺しの話をがりがり書いていれば別れないほうがどうかしている。しかもわたくしは彼女のミステリーではなく彼女の訳す海外のミステリーの大大大ファンと来ているから小泉喜美子としては痛し痒しだったろう。しかし、彼女の訳すクレイグ・ライスは絶品で『大はずれ殺人事件』『大あたり殺人事件』(1977年 ハヤカワ・ミステリ文庫)のこのタイトルだけで読みたくなり、読むとまさにその通りの大はずれ殺人事件と大あたり殺人事件が起こるからこたえられない面白さ。P・D・ジェイムズ『女には向かない職業』(1975年 ハヤカワ・ポケット・ミステリ )なんてタイトルだけで読みたくなるでしょう。忘れがたいのはジェイムズ・クラムリー『さらば甘き口づけ』(1980年 ハヤカワ・ノヴェルズ)のカリフォルニアの光を乾きを暑さを肌で感じるようなハードボイルドの小説で強烈な印象を残しました。ビール好きのブルドックとか脇役もすこぶる魅力的。彼女はゴールデン街かで酔っ払って階段踏み外して脳挫傷でその後亡くなったので、酔いどれ探偵のミロ・シリーズは小鷹信光訳で読みましたが『酔いどれの誇り』(ハヤカワ・ミステリ文庫)が秀逸。「神様が公認している職業 酔っぱらい」ですから(笑)。
あ、きっこさんが!マークを二つ以上付けてる。間違いなく酔いどれきっコナン探偵になっています。(*^▽^*)ゞ。
でなんだっけ(笑)、そうそう「翼の折れたエンジェル」はきっこさんの世代では ハスキーヴォイスの中村あゆみ「翼の折れたエンジェル (1985年4月)」でしょう。『片翼だけの天使』にインスパイアーされたとはいえ、あの歌は歌詞が切れっ切れでサビまでの盛り上がりも見事で一度聴いたら忘れられないSongでした。1978年の中原理恵の『東京ららばい』とか、その時代の雰囲気を伝える乗りのいいSongもオジサンには東京の現代御当地ソングだねえと大洗で溶接やりながらラジオで聴いてました。太田裕美の1975年の「木綿のハンカチーフ」なんて、休みの日にひとり大洗工場で魚群探知機の巨大な配線図を作っていた時に毎日ラジオで流れていました。ジャズ流すと配線こんがらかるからね。(*^▽^*)ゞ。
>50年後、100年後の俳句マニアたちが「きっこの後に生まれてラッキー!」と言ってくれるように
ああ、わたくしはせいぜいあと十年くらいだから「きっこに俳句教わってラッキー!」と言っておこう!!!