貧乏がゆゑに白子を食ふでなし
>ロリポップ転がしポンと春麗 アリソン
誰も注意しないのでわたくしが。「春麗」は俳句では「麗か」だけで春の季語なので春を重ねると季重ねの間違いになります。「春のうららの隅田川 のぼりくだりの舟人が 櫂のしづくも花と散る ながめを何にたとふべき」という日本人なら誰でも知っている「花」という唱歌があるし(作詞:武島羽衣 作曲:瀧廉太郎)、この歌詞は『源氏物語』の「胡蝶」の「春の日のうららにさして行く船は棹のしづくも花ぞちりける」を本歌取りしたものですから(二番三番も『源氏物語』を踏まえた歌詞ですが、三番目の歌詞 「錦おりなす 長堤に 暮るればのぼる おぼろ月 げに一刻も 千金の ながめを何に たとうべき」は、蘇軾の詩「春夜」の一節「春宵一刻値千金」も踏まえています)、あくまでも俳句という狭い井戸の中のしきたりですから、目くじらを立てると、じゃあ紫式部もふつつかな日本語を使ったのかということになりますから、美しい日本語と古文法の手本になった紫式部の『源氏物語』にたてつく日本人はひとりもいないと思うので初心者が気に病む必要はなく短詩型の俳句だけのなるべく短小で済まそうというルールのひとつなので、日本語の大枠で考えれば『源氏物語』も「花」も美しい日本語なので、あくまでも俳句世間のみのしきたりと覚えていただければよいと思います。ただし、初心者以外でこれをやると馬鹿呼ばわりされ、見過ごす主宰や結社は肩身の狭い思いをしますので要注意です。日本最大の歳時記として鳴り物入りで騒いだ『角川俳句大歳時記』は「春麗」の例句を載せたので世紀の馬鹿歳時記と末代までの恥となっています。まともな歳時記や結社かどうかの判断のひとつとして「春麗」が載っているかどうかリトマス試験紙になるくらいです。
ロリポップ転がしポンとうららけし
Lollipop Korogasiponto Urarakesiとローマ字表記すると、575でi音とpo音が韻律を踏んでいてリズムが生まれていることに気づくでしょう。これもきっこさんから教わったローマ字で書くと音数律と音韻律が見えるという「先頭舌転」の練習法です。
写真は水飲みに来るヒヨドリたち。
>春ラララでも良かったかな。
「ミスター・サンドマン」のゴールデンヒットを持つ女性四人組のザ・コーデッツが歌う「ロリポップ」でロリポップの四重唱のあとの’POP’をアンディ・ウィリアムスが口に指を入れてポンという音を出すジェスチャー役で共演していましたから、当時の彼らのファンとしては「ポン」で1958年に戻れるので「ポン」でしょうか。しかし、わたくしが小学生の時に流行った歌ですからオールディーズなのに良く知ってるので驚き。
猫髭さん添削ありがとうございます。春麗は季重なりになるとは存じませんでした。春うららにしようか、いや俳句は基本漢字で書かねばとそんなことばかり思っていました。前句からロリポップがすぐさま浮かび、そこで春の到来を明るく跳ねるようなイメージで棒付きの飴をポンっと口から出す音で表現してみました。ロリポップロリポップ♪で始まるアメリカのポップスあのメロディにも乗せたくて。春ラララでも良かったかな。