パンパンに袖を引かれし夜半の秋
ハジメ2018さんのパンにつなげて横浜メリー(野毛で見かけた。あんたあの子のなんだっぺ)。
商社系のIT業のエンジニアだったから国内外を30年以上飛び廻っていたので行く先々で街娼に声をかけられたことは数多あるが唯一女にもゲイにも(女性よりも美形がいるのよ~ホントよ~←ここオネエ声で)観光地にも目もくれず、市場(知らない土地に来たらどんなものを食べているのか飲んでいるのかを知れば溶け込めるから)と本屋とジャズと映画にしか興味を示さなかったのは猫どんだけだとどこでも言われたが、仕事で来てるんだから休みの日くらいひとりでのんびりさせてよといつも単独行動を好んだとはいえ、正直ロスとシカゴとマンハッタンであった息を呑むような美女には驚いた。清岡卓行の詩で言えば「ああ きみに肉体があるとはふしぎだ」(「石膏」)。だが、そういう時に限って、ウィントン・マルサリスの引退公演のライブが、「オペラ座の怪人」の開幕時間が、アイリン・クラールのライブがと、「とめてくれるな妙心殿、ゆかねばならぬ、ゆかねばならぬ~」って(ここは大利根かよ異国だっぺよ)とジャズやミュージカルにうつつをぬかしちゃったんですねえ。だって、ウィントン・マルサリスの引退公演なんて全米中の売り出し中の若手トランペッターが一同に会して一回こっきりの演奏を繰り広げるんだからこれ逃したら死んでも死に切れない・・・バカ。
それはさておき金の欲しさよ、じゃなかった。きっこさん、芥川の『芭蕉雑記』面白かった。変な記憶違いのお陰で苦手な芥川を見直しました。というのは最初に読んだ『トロッコ』という彼の短編が子供心に物凄く怖い思いをしたのと「蜘蛛の糸」とか「杜子春」といった童話が不快で「鼻」だけは感嘆したけど「歯車」といい支離滅裂で、何であいつの全集だけもてはやされるのか内田百閒の方が面白いのにと読まず嫌いでしたが『芭蕉雑記』の才気煥発で恐ろしく切れる発想、文体、いや柴田宵曲の名著『俳諧随筆 蕉門の人々』と並べて読むと実に面白い。殊に「我句を人に説くは我頬がまち(容貌のこと)を人に云がごとし」と言いながら手前味噌を並べて「いつも自作に自釈を加へるバアナアド・シヨウの心もちは芭蕉も亦多少は同感だつたであらう」とバーナード・ショー(戯曲『ピグマリオン』、マイフェア・レディの原作と言えば誰でもわかる超有名なノーベル文学賞作家。風刺家としても有名)まで持ち出して落すところは呵呵大笑。実は「きっこの俳句説明」は図書館内でもきっこさんの黒歴史だから、載せるべきか反故にすべきか、To be, or not to be, that is the question.でしたが(実は館長これだけ読んでないのよ)、芭蕉も味噌並べてるし、ま、いいか、載せっぺ。(*^▽^*)ゞ。