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スレッドNo.250

秋の瀧後藤夜半に落ちにけり

皆さん、こんばんは♪
明日は8月19日「俳句の日」ですね!

今から十数年前、一般にはあまり知られていない中堅の俳句結社の編集部からメールがありました。「これまで目立たなかった女性会員が、数カ月前から別人のような素晴らしい句を投句するようになり、毎月のように主宰の特選を獲り、結社誌の巻頭を飾るようになりました。これはおかしいと思いネット検索したところ、あなたが運営するハイヒール句会に行き着きました」という内容でした。

その人が送ってくれた結社誌の原稿を見ると、あたしがハイヒール句会で「きっこ特選」に選んだ遊起さんの句、茂雄さんの句、陶子さんの句、朝比古さんの句などが、一字一句たがわずに、その女性の名前で掲載されており、主宰に高評価されていたのです。

ようするに、自分では良い句が詠めないので、ネット上を探し回り、数えきれないほどあるネット句会の中で、あたしの「ハイヒール句会」で「きっこ特選」を得た作品が最も完成度が高いと判断し、それを盗んで、自分の結社誌に投句していたのです。

覚醒剤で若くして亡くなってしまったシンガーソングライターの尾崎豊は「盗んだバイクで走り出す~♪」と歌いましたが、この女性は「盗んだ俳句を投句する~♪」という恥知らずの人だったようです。

あたしは、事を大きくしたくなかったので、その結社の主宰宛てに「あなたの結社の会員が私のネット句会の優秀句を盗んでいます。それも一度や二度ではない常習犯です。以後、その人からの投句は、私のネット句会の披講と照らし合わせた上で適切に評価してください」とメールしました。

その主宰からは、平身低頭の返信がありましたが、あたしは犯人の吊し上げが目的ではないので、「なるべく本人を傷つけない形でお願いします」と返信して、そこで終わりにしました。そもそも、そんなことも見抜けない主宰など、相手にしても無意味だからです。

もしもあたしの句会で、よその句会の優秀句を盗んで投句して来た人がいたら、あたしは一瞬で見抜きます。大切な座友をひとりひとりちゃんと見ていれば「この人がこんな句を詠むわけがない」と分かって当然だからです。

あたしの大好きな飯田龍太は、初心の弟子から「どうしたら先生のような立派な句が詠めるようになるのですか?」と聞かれた時、「立派な句が詠みたいのなら、まずはあなたが立派な人物になりなさい」と指導しました。

龍太曰く「十歳の子どもは十歳の句を詠む。二十歳の青年は二十歳の句を詠む。それが『身の丈』と言うもの。二十歳の青年がどこかで覚えた難しい言葉を使って六十歳や七十歳のような句を詠んでも、それは『自身の身の丈を超えた句』であり、誰にも感動など伝えられません。あなたは、今のあなたの『身の丈』を詠み続ければ良いのです」

俳句を始めた初心者が、少しずつ俳句の面白さが分かって来ると、器用な人の中には「凄い句を詠んで先輩たちや師に感心されたい」というスケベ心が頭をもたげる人も出て来ます。でも、それでは本末転倒なのです。

あたしは、この龍太の言葉から、俳句の本質を知りました。あたしはあたし、決して背伸びなどせず、常に「今の自分の身の丈」で詠めば良いのです。背伸びして「自分らしくない句」を詠んでまで誰かに褒めてもらいたいなんて、俳句の本質から最も逆行した愚かな行為なのです。

皆さん、龍太の言う「身の丈」という言葉をしっかりと胸に刻んだ上で、その「身の丈」の範疇で、自分らしい俳句を探して行きましょうね♪

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年08月18日 23:07)

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