穭田は歩きにくいしすぐ転ぶ
>穭田に新たな生命列を成す 杜人
杜人さん、どこのカルチャースクールの俳句教室の先生も必ず指摘するであろう基本的なことを言うと、まずは上五の「穭田に」の「に」が理屈っぽいので、ここは「穭田や」と切るべきです。
それから「生命」と書いて「いのち」と読ませる小手先の技もうんざりします。
杜人さんが江戸時代の俳諧師だったのならともかく、数えきれないほどの先人たちが、星の数ほどの俳諧や俳句を詠み続けて来た果てに「今のあたしたちがいる」という俳句の大前提をふまえれば、その答えは「オリジナリティー」なのです。
この句から、杜人さんの詠みたいことは十分に伝わりました。
それをあたしが詠んでみると、こんな句になります。
穭田に新たな命ならびけり
しかし、これでは75点の「普通の句」です。
そこで、自分の立ち位置を変えて、次のように詠むのです。
穭田に命の名残り並びけり
これは一例ですが、杜人さんの言いたかったことに近いのではないでしょうか?
俳句の可能性は無限ですが、先人たちの詠み尽くした「過去のパターン」にはまってしまっては本持転倒です。
俳句は「今」を切り取る文芸なのですから、その表現も「今」で行きましょう♪