思ひ出に思ひ出さるゝ夏の月
2022年(令和四年)八月一日13:30ハイヒールteacupのラスト・ショットをスクリーン・ショットでダウンロードして「俳句deしりとり」の最後を看取りました。まだわたくしのパソコンの最初のタグに残っています。パソコンを切れば二度ときっこさんの別れの挨拶が載ったこの画面は現れずteacupのサービス終了の画面しか出て来なくなるのはわかっているのですが、ラスト・ショットとして今日一日このまま仕事に出かけても切らずにそのままにしておきます。わたくしは過去を振り返る暇がないくらい公私に多忙で気が付いたら白髪のお爺さんで、52歳の時に御自由に生きようと仏壇に入る前に俳壇に立ち寄ったのが運の尽きで、茂雄親方の勧めで「ハイヒール」に「白頭」という俳号で参加し「猫でもわかる旧かな講座」で「老い」を「老ひ」と間違え「猫にも劣る」と言われて「猫髭」と改め、以来「きっこのハイヒール」の軒先のノラとして苦節19年飼っていただき(笑)「敵に回すと怖いけど味方に回すともっと怖い」「生命体には人間と動物と猫髭がいる」と国内外でCrazy Catとして跋扈していたわたくしを鞭で叩いて蝋燭垂らし(うなこたあない)よく懐柔してここまで御指導いただいた御恩は一生忘れません(草葉の陰まであと云年だから短い一生だよね)。思い出というものは思い出すものだと言われますが過去に拘泥しないわたくしには思い出というものはこちらが思い出そうとして思い出すものではなく向こうから思い出されるから思い出として昨日のことのように鮮やかに蘇る(黄泉還るが猫語)のが本当の思い出だと思います。きっこさんとの思い出もそうです。思い出した事はない。忘れたことがないからと「忘れねばこそ思ひ出ださず候」と昔のひとはうまいことを言いましたが、わたくしも同じ思いです。わたくしは現実で泣いたことがないのですが(映画や小説では「みっともないからおよしよ」と言われるぐらい感激屋なのにねえ)「しりとり2」のラスト・ショットを見ていると目が潤んできました。代わりに「横浜人形の家」のアルルカンに哀しんでもらいましょう。