言葉の副作用
小学生に陸上競技の指導をする。
どんな言葉を使えば子どもの心に届くか、いつも悩みます。
言えば言うほど選手の動きが悪くなる言葉もたくさんあります。
緊張して走っている子に「リキむな!」と叫べばさらにリキみますし、「リラックスしろ!」と怒鳴ればギクシャクしたフォームになります。
「下を見るな」と言えば上を見上げてしまいますし、それを直そうとして「アゴを引け」と言えば子どもはアゴを(引くのではなく)下げてしまいます。
ピッチを上げる、つまり速く脚を回転させようと助言すれば、とたんに腰が下がってしまう(初めて練習する小学生は、不思議なことに必ずそうなります)。
風邪薬を飲んだら風邪症状は軽くなったが胃が重くなった。薬にはそんな副作用が起こることがあります。
狙った効果とは違うのが副作用。
スポーツを指導する言葉にも副作用があるようです。
小学生は、コーチに言われたその部分(アゴとか脚とか)だけをなんとか修正しようとするので、別の部分の動きにひずみが生まれてしまうのだと思います。