論語でジャーナル’25
「子曰く、詩に興(おこ)り、礼に立ち、楽(がく)に成る」(その3)
※浩→もう1つの「七言絶句」は、王維の「元二(げんじ)の安西に使するを送る」です。
この詩も、高校時代に大月邦彦先生が授業で、「君に勧む更に盡くせ一杯の酒」のところを、情感たっぷりに解説してくださいました。高校生の私にはお酒のことは十分には理解できなかったですが、今は特に、「次の関所を超えると、もう、ともに酒を飲み交わす友もいないのだから」という4行目にジーンときます。この詩を、ただ大学受験用の知識としてだけ覚えておくのはもったいないです。一昨年まではスクールカウンセラーのお勤めの打ち上げに、居酒屋で友と飲み交わしていました。今は、岡工講座のあと、決まった居酒屋で打ち上げをしています。講座の常連さんはほとんどみなさん参加されます。話題は尽きません。
送元二使安西(王維)
sòng yuán èr shǐ ān xī(Wáng Wéi)
渭城朝雨潤輕塵
wèi chéng zhāo yŭ rùn qīng chén
客舎青青柳色新
kè shè qīng qīng liŭ sè xīn
勧君更盡一杯酒
quàn jūn gèng jìn yī bēi jiŭ
西出陽關無故人
xī chū yáng guān mó gù rén
1行目の「チェン」、2行目の「シン」、4行目の「レン」が韻を踏んでいます。
【書き下し文】
元二(げんじ)の安西に使するを送る
渭城(いじょう)の朝雨(ちょうう)輕塵(けいじん)を潤す
客舎(かくしゃ)青青(せいせい)柳色(りゅうしょく)新たなり
君に勧む更に盡くせ一杯の酒
西の方(かた)陽關(ようかん)を出ずれば故人(こじん)無からん
【作者】王維 wáng wéi (699~755)は中国山西省生まれ、唐の著名な詩人。
【通訳】渭城の町には朝の雨が降って、軽い砂ぼこりをしっとり濡らしている。旅館の前の柳は雨に洗われて、青々とした葉の色を見せている。さあ君、ここでもう一杯酒を飲みたまえ。西の方、あの陽関を出てしまえば、もう共に酒を飲み交わす友もいないだろうから。
【語訳】
*元二…元は性、二は次男を表す。
*安西…安西都護府。今の新疆省。
*渭城…長安の、渭水をはさんだ対岸の町。
*客舎…旅館。
*青青…柳の葉の青いこと。
*陽関…南の関所。
*故人…友 。(亡くなった人ではありません。)
漢詩について書けば際限ないので、このあたりでおしまいにします。