論語でジャーナル’25
28,子曰く、歳寒くして、然るのち、松柏の凋(しぼ)むに後るるを知る。
先生が言われた。「寒気の厳しい歳になってはじめて、松と柏の葉が他の樹木に遅れて枯れ落ちることがわかる」。
※浩→孔子が前497年から484年まで、14年の長きにわたる亡命の旅の終わりごろの発言だと考えられています。初めはかなり多数いた随従の弟子は、歯が抜けるように立ち去っていった。この寂しい境遇でも、正面から去りゆく弟子を非難しないで、寒気の中で最後まで緑を維持しながら、ついに少しずつ枯れていく松柏の姿をもって自らを象徴しています。口では立派な主義を主張して、高遠な理想を語る人が、厳しい弾圧に遭うとたちまち転向し、果ては時局に迎合していった有様を、イヤと言うほど見せつけられます。孔子のこの言葉は、本当の信念を持つ者と、そうでない口先だけの人間との差を見事に表しています。
私は、1991年にアドラー心理学に出会って、今年で34年になります。93年に講座を立ち上げました。会を支える多くのスタッフにも恵まれました。参加者の職場や関係の団体に講演を依頼されて、たくさんお仕事をいただきました。その後ずーっと時代が経過してからは、相棒・児玉先生の勤務校でスクールカウンセラーをさせていただきました。2023年度まで。そして今はこれまた児玉先生の勤務校で小さな小さな講座を開かせていただいています。一箇所だけになりました。ずっと以前にNHKの朝ドラ「あぐり」というのがありました。女優・吉行和子さんのお母様「あぐり」さんの半生を描いていました。美容師さんです。岡山の第一女学校の出身ですから、うちの母と同門です。名取裕子さん扮するチェリー山岡の美容室で修業して、やがてチェーン店を何件も経営するビッグ・オーナーになりますが、晩年は、1脚だけの小さな店を1軒残して、あとは全部、師匠にお返しします。私たちの講座もそのようになりました。でも、孔子のような嘆きはありません。むしろ身の丈にあったお仕事ができてとても幸せです。
「歳寒くして、然るのち、松柏の凋(しぼ)むに後るるを知る」といえば、母校の校歌の3番に、「 操(みさお)の山にいや高く 常盤(ときは)のみどり照り映えて 空にけだかき松と柏(かし) 永久(とは)に薫(かを)らんわが胸に」と“松と柏”が歌われています。このことを1年生の担任だった、大月邦彦先生が、漢文の授業で、詳しく解説してくださったことを覚えています。でも解説の内容はさすがに全部忘れました。
ちなみに、1番と2番は次のとおりです。フシは出だししか覚えていません(笑)。
1
光にみつるしののめに
雲紫(くもむらさき)にかがよひて
若き生命(いのち)にあふれつつ
仰ぐ理想の嶺(みね)遠し
2
学びの道にきはみなく
いそしむ窓にめぐる日の
三年(みとせ)のきよき友垣(ともがき)と
新しき世に培(つちか)はん