論語でジャーナル’25
15,人を他邦に問えば、再拝してこれを送る。
他国の友人に対して使者を派遣するときには、出発の際、再拝して(手土産を持たせ)送り出した。
※浩→「人を他邦に問う」というのは、他国の友人のところへ使者を派遣することです。使者は自分より目下の人であったでしょうが、その出発には必ず二度お辞儀をして見送りました。これは使者に対する敬意もありますが、遙かな友人に対する敬意でもありました。使者を送るといえば、大好きな詩があります。王維の「元二の安西に使するを送る」です。高校の漢文の授業でも習いましたが、実感は湧きませんでした。お酒を飲み交わす友人ができてからは、しみじみ感動するようになりました。
渭城(いじょう)の朝雨(ちょうう)輕塵(けいじん)を潤す
客舎(かくしゃ)青青(せいせい)柳色(りゅうしょく)新たなり
君に勧む更に盡くせ一杯の酒
西の方(かた)陽關(ようかん)を出ずれば故人(こじん)無からん
渭城の町には朝の雨が降って、軽い砂ぼこりをしっとり濡らしている。旅館の前の柳は雨に洗われて、青々とした葉の色を見せている。さあ君、ここでもう一杯酒を飲みたまえ。西の方、あの陽関を出てしまえば、もう共に酒を飲み交わす友もいないだろうから。
*元二…元は性、二は次男
*安西…安西都護府。今の新疆省
*渭城…長安の、渭水をはさんだ対岸の町
*客舎…旅館
*青青…柳の葉の青いこと
*陽関…南の関所
*故人…友 (日本では「死者」です)
使者を送って途中の旅館で最後の別れを惜しんで、お酒を飲み交わしている場面でしょう。「さ、いよいよお別れだ。もう1っぱい飲みほしたまえ。陽関の関所を出れば、もう飲み交わす友人もいないのだから」。ここで、私はジーンと胸が熱くなります。日本では「会者定離(えしゃじょうり)」と言われますが、執着を離れるのはなかなか困難です。