論語でジャーナル’26
9,子、衛に適(ゆ)く。冉有(ぜんゆう)僕たり。子曰く、庶(おお)きかな。冉有曰く、既に庶(おお)し。また何をか加えん。曰く、これを富まさん。曰わく、既に富めり。また何をか加えん。曰わく、これを教えん。
先生が衛に行かれたときに、御者の冉有に先生が言われた。「衛の首都は人の数が多いな」。冉有が質問した。「すでに人は多いようですが、あと衛に何を加えましょうか」。先生が言われた。「この人たちを富裕にしよう」。冉有がさらに言った。「人々を富裕にしたあとは、何を加えますか」。先生が言われた。「その人たちに教育を与えよう」。
※浩→B.C.497年に魯から衛に亡命した孔子は、多くの人で賑わってる衛の都の様子を馬上から見ながら、経済生活の安定と教育体制の充実の重要性について御者の冉有に語っています。まずは福祉国家であること、その上に文明は成り立つ。「衣食足りて礼節を知る」というのは、斉の菅(かん)氏の言葉で、法家思想だそうです。これとも通じますし、もっと極端に、下部構造(経済)という社会全体の土台が上部構造(法律的・政治的/イデオロギー的)を因果的に決定するという、マルクスの説も思い出します。ただ、今の日本はどうでしょうか?「衣食足りて」いるようですが、実際には「足りている」のはごく一部の人たちで、貧困に苦しんでいる老若男女が多いでしょう。ヤングケアラーや老老介護、ホームレスの人たちの話題もたびたび取り上げられます。連休などで全国の観光地が賑わっている反面、、憲法が保障しているはずの「健康で文化的な最低限度の生活」はどうなっているのかと思うことしばしばです。政治家さんは今日の「論語」の内容をご存じでしょうか?やはり教育です!教育というのは受験教育だけではないはずなのに…。