よべの月 十七日
9月12日(旧暦:八月十七日)
仲秋の宴盃を選びかね 佳音
友人夫婦と前に行ってとてもゆっくりできたホテルに
また行こうということになった。
人よし、食よし、酒よし、湯も部屋もよし
(わたしたちにとって)と思っている。
洋酒はグラスがそれぞれ決まっているが、
日本酒は盃をあれこれ持ってきてくれるので、
友人が迷いに迷った。
わたしの即決した紅の盃を
「あっ!それもええなぁと思ててん」
というので、これにするかと問えばまだ考えると云う。
あまりに悩むので、
「でも、一番大きいのがええのと違う?」
と勧めてみたら、あっさり一番大きなものを
箱から引っこ抜いた彼女は夫らが足元にも及ばない
酒豪なのだなぁ。
大きなお風呂があるのも嬉しい。
夜、露天湯から月が見えて、ぼー--っと入っていたら
ひとり若いお嬢さんが入ってきた。
入れ替わりにあがるついでに、
「ここにいると、月が見えますよ」
とタオル越しに一言声を掛けたら、
「ありがとうございます、お月見します」
と。
ええ子やなぁ、ええ旅やなぁ。
笑みかはし出づ立待の月の湯を 佳音
またあした。