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スレッドNo.2049

一着に芦毛とびこむ春の音

皆さん、こんばんは!

今日の阪神競馬9レース「蓬莱峡特別」で、8番人気の芦毛の馬が1着になり、あたしの買っていた100円の馬券が1万8480円になったので、松尾芭蕉風味で詠んでみました♪(笑)

>春満月海へ立て置く竿二本 ハジメ2018
いいですねえ。「海へ立て置く」によって「竿」が「釣り竿」だと分かり、「二本」から「息子を連れての釣り」だと想像が膨らみます。上五の「春満月」という字余りは少し重たいですが、「満月」から「大潮」が見えて来るので、翌朝からの親子での釣りの大漁を予感させます。

>よなぐもり魚のまた跳ぬ船溜り 真知貝
「よなぐもり」の「よな」は「霾(つちふる)」、この時期に中国から飛んで来る「黄砂」のことで、とてもタイムリーですね。「跳(は)ぬ」は「跳ねる」という言葉の文語形なので、日本の漢字のルーツである古代中国をイメージさせます。黄砂で視界の悪くなった空と、どんよりと凪いだ船溜りとの対比が、何とも言えない倦怠感を生み出していて、とても素晴らしいです。

>遠山のうすむらさきや春の雨 ラスカル
ラスカルさんは、こんな高浜虚子のような茫洋とした句も詠むのですね。意外でした。ラスカルさんほどのベテランなら、ついつい「藤色に遠山霞む」などとお洒落に詠んでしまい、知らず知らずのうちに主観を滲ませてしまいそうですが、あえて踏みとどまって客観に徹底したところが流石です。「これぞ俳句」ですね。

>新校舎踊り場ひらり春日永 アリソン
短絡的に「新入生」と言わず、「新校舎」「踊り場」というキーワードから「新入生」をイメージさせ、季語は別に置いた構成がとても良いですね。ただ、このままでは、上五と下五を入れ替えて「春日永踊り場ひらり新校舎」としても成り立ってしまいます。こういう句形は「観音開き」と言って、あまりよろしくありません。

先ほどのハジメ2018さんの句も真知貝さんの句も、上五と下五が五音の名詞ですが、ハジメ2018さんの句は「海へ立て置く竿二本」、真知貝さんの句は「魚のまた跳ぬ船溜り」と、それぞれ中七と下五が連結した十二音のフレーズになっているので、上五に五音の季語を置いても「観音開き」にはならないのです。

しかし、アリソンさんの句は、中七が「踊り場ひらり」と擬音で終わっているため、文法的に上五と中七と下五がバラバラになっていて、結果として「観音開き」になってしまったのです。「ひらり」という擬音を生かしたいのであれば、上五と下五を入れ替え、四音の季語を探して、「●●●●や踊り場ひらり新校舎」とすれば、「観音開き」が解消され、不動の一句となります。

そうでなければ、擬音を外して、ハジメ2018さんや真知貝さんのように、文法的に中七と下五を接続します。たとえば、「踊り場広き新校舎」というフレーズにすれば、上五を「や」で切らなくても、上五に五音の季語を置いた「春日永踊り場広き新校舎」という形で「観音開き」を解消することができます。

>辿り着く大和島根に鯉のぼり 句念庵
「大和島根」は「大和」と「島根」ではなく、「大和島(倭島)の根っこ」、つまり「奈良を中心とした日本の国土」という意味です。後醍醐天皇も「四方(よも)の海をさまりぬらし我が国の大和島根に波しづかなり」と詠んで日本の平和をお歓びになられましたが、句念庵さんの句は、大空を泳ぐ「鯉のぼり」が、不安ばかりの今の日本に元気を与えてくれていますね。とても良い句ですが、一点だけ、「に」に理屈が滲んでしまっているので、できれば「や」できっぱりと切ったほうが、さらに良くなります。

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年04月17日 18:51)

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