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スレッドNo.768

朝寒の便座に縮むふぐりかな

晩秋は一番好きな季節で、秋小寒の蒲団に入るときの熟睡を約束される寝心地の良さが一番丁度良いのである。ただ、服装で調節できる晩秋の少し寒い感じの季語は一杯あって竪題だけで「そぞろ寒」「漸寒(ややさむ)」「肌寒」「うそ寒」四つあり、傍題も入れると十三もあり、みな「秋も半ばから晩秋にかけて少し感じるほどの寒さ」の謂(いい)なので、その時の感じで使い分ければ良いということになるが、きっこさんに「やや」という副詞だけは一生に一度使うか使わないかだと言われると「絶対使っちゃ駄目」ということだから禁じ手ということになるが、なぜ『源氏物語』にも使われている由緒正しい言葉を忌諱するのかわからなかったが、これは当時安易に「やや」が使われていたせいだったと記憶する。今は時代がかって古臭い言い方になるから若い人が使うことは先ずないから使ってもいいと思うと、ふと一番季語が多いので「吟ぶらの友」として愛用している角川学芸出版の『角川季寄せ』を見ると、

  そぞろ寒兄妹の床敷きならべ 安西敦
  やや寒と思ひしときの旅疲れ 稲畑汀子
  肌寒や生家といへど夕まぐれ 中村汀女
  うそ寒の口にふくみて小骨とる 飯田龍太

が例句に並んでいたので安西敦の後塵を拝して忌諱する理由はこれかと合点がいった(なわけねえだろ)。
その点、「朝寒」や「夜寒」は時間が定まるのできっぱりと物語が生まれる。

  朝寒の人各々の職につく 高浜虚子
  あはれ子の夜寒の床の引けば寄る 中村汀女

殊に汀女の句の座五の「引けば」が母で「寄る」が子に変わる瞬間は、けだし圧巻の名句たる由縁だろう。

「ハイヒール図書館」の「きっこ俳話集」を完成して暫くお休みをいただきました。腰掛仕事で根を詰め過ぎたせいか腰がびだまって(茨城弁で「へたばること」)整骨院で電気マッサージ治療を受けており、やっとシャッフル・ダンスでリハビリしたら走れるようになったので「鑑賞のお部屋」の「波多野爽波編」再スタートいたしました。ヒール役の猫髭も参加者増加で一応客寄せの使命は果たせたと、ヒール仮面変身~♪で本来の「猫髭感賞」スタイルに戻しました。今月中に「波多野爽波編」を完成させる予定です。

ハイヒール図書館「鑑賞のお部屋」 https://bbs1.rocketbbs.com/Kikkokanshou

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