猫の尾の夏書机に立ちにけり 爽波
投稿日: 2月 2日(月)17時21分11秒
komitiさん、敬さん、書き込みをありがとうございます♪
句会の感想と同じく、せっかくPCでつながっているのですから、たったひと言でも、自分の思いを書き込むことが大切なのです。
komitiさん、あたしも初めは番傘を想像しました。
しかし、平成5年の作と言う点、そして、普通の俳人は作品にしないような対象を詠む爽波の作風を考えた時、頭の中で、パッと透明のビニール傘が開いたのです。
これは、どちらが正しいと言うことではなく、それぞれの読み手が、それぞれに感じれば良いことなのです。
敬さん、日本でイギリスのロックと言うと、ビートルズやローリングストーンズが神様のように言われていますが、もっと素晴らしいバンドは数え切れないほどあります。
俳句も同じです。
現在では、「昭和の4S」と言われた、水原秋櫻子、阿波野青畝、山口誓子、高野素十の4人が、昭和の俳人の代表のように言われていますが、爽波のように、もっと優れた俳人はたくさんいたのです。
この句は、平成2年の第四句集、「一筆」におさめられています。
「夏書机(げがきづくえ)」と言う特別な机があるのではなく、夏の安居(あんご)の間に、供養のために写経をすることを「夏書」と言い、それを行なっている机のことです。
向こう側に猫の尾がピンと立ったのですから、文机でしょう。
「けり」と言う強い切れに、精霊に対するおごそかな供養の念と、真夏の暑さにも汗ひとつかかない精神集中、そして、張りつめた部屋の空気感が伝わって来ます。