爽波 17才から30才まで
投稿日: 2月 3日(火)10時04分18秒
腕時計の手が垂れてをりハンモック (昭和15年/17才)
鳥の巣に鳥が入ってゆくところ (昭和16年/18才)
砂日傘さつきの犬がまた通る (昭和17年/19才)
クローバの中にも水の溜まりをり (昭和18年/20才)
大小のはたはたのとびちがひけり (昭和19年/21才)
※「はたはた」はバッタのこと。
氷上に少しく土の崩れ落ち (昭和20年/22才)
滝見えて滝見る人も見えてきし (昭和21年/23才)
次の間に歩きながらに浴衣ぬぐ (昭和22年/24才)
紫陽花に吾が下り立てば部屋は空ら (昭和23年/25才)
恋猫に投げたる石の見えて弾む (昭和24年/26才)
食事とりつつ秋雲の流るるを (昭和25年/27才)
自動車の下向きとまる春の山 (昭和26年/28才)
風の夜やまたげぢげぢが出て壁を (昭和27年/29才)
金魚玉とり落しなば鋪道の花 (昭和28年/30才)
ひとみさんの取り上げてくださった「銀色の~」の句は、昭和16年、18才の時の作品です。