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スレッドNo.33

大金をもちて茅の輪をくぐりけり 爽波

投稿日: 2月 3日(火)18時24分30秒

昭和59年、61才の時の作品です。
12月の大晦日に対して、陰暦6月の晦日を「夏越(なごし)」と呼び、「茅の輪(ちのわ)」と言う浅茅で作った輪をくぐったり、白紙で作った「形代(かたしろ)」を川に流したりして、お祓いをします。
昔は、麻の葉を川に流したりもしたようですが、現在では大麻取締法で逮捕されてしまうので、気をつけましょう(笑)

大金と言うと、その解釈は人それぞれ違います。
あたしの場合は、実生活では、1万円以上は大金です。
しかし、この句を読んでパッと頭に浮かんだのは、100万円でした。
それも、帯のついたピン札の100万円です。
実際は、200万円だったかも知れないし、50万円だったかも知れません。
作者の背景を考えれば、お金持ちの爽波が大金と言うくらいですから、500万円、1000万円だったのかも知れません。
しかし、問題はその金額ではなく、茅の輪をくぐったと言う部分なのです。
そして、本来ならば省略するはずの「もちて」と言うことをあえて言っている点です。
この2点から、この大金が、労働に対する正当な報酬ではなく、濡れ手に粟で儲けたお金だと言うことが分かります。
だからこそ、茅の輪をくぐってお祓いをしたのです。
「もちて」と言う表現から、作者は、自分自身よりも、その大金に茅の輪をくぐらせたかったと言うことが見えて来ます。
真面目な爽波ですから、法律に触れるようなことはしないと思いますが、株や相場などのギャンブルで儲けたお金であることに間違いありません。
爽波にかかると、こんなことまでが名句になってしまうのです。

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