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スレッドNo.47

>猫髭さん、朝比古さん

投稿日: 2月 6日(金)00時44分34秒

猫髭さん、貴重なご意見をありがとうございます。
猫髭さん、「ぬ」は、動作・作用が完了すること、してしまったこと、だけではなく、その動作が存続することも表します。
ですから、「~てをり」に「ぬ」が続いた場合は、完了ではなく存続となりますので、その動作が続いている状態を表しつつ、「けり」と同じように切っているのです。

  大空をたゞ見てをりぬ檻の鷲  高浜虚子

  えごの花遠くへ流れ来てをりぬ  山口青邨

  比良の雪春はけぶりてきてをりぬ  森澄雄

  とけるまで霰のかたちしてをりぬ  辻 桃子

  蛙鳴く中やふはふはしてをりぬ  矢島渚男

  帰り花枝に遠慮をしてをりぬ  後藤比奈夫

それから猫髭さん、爽波は、決して有名俳人ではなく、このコーナーに取り上げて来た句も、一般的には名句とは呼ばれていません。
10年も俳句をやっていても、爽波の名前すら知らない人もいますし、名前は知っていても作品までは知らない人もたくさんいます。
稲畑廣太郎ですら3冊も句集を出しているのに、爽波は生涯で4冊しか出していません。
ですから、あたしが取り上げているのです。

朝比古さん、書き込みをありがとうございます。
爽波の俳句の素晴らしさのひとつとして、できる限り簡単な言葉を選び、簡潔でいて、それなのに類想が少ないと言う点があげられます。
語彙に逃げる俳人が多い昨今、簡単な言葉だけでストレートに勝負して、それでいて類想が少ないと言うのは、本物であることのひとつの指針でもあります。
あたしが理想とするのは、極論で言えば、「俳句を知らない人や子供が読んでも伝わる句」です。
それに最も近い俳人のひとりが、爽波なのです。
今後も、色々な書物や俳句サイトなどであまり取り上げられない俳人にスポットを当て、順次掘り下げて行きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

皆さんへ。
ついでにお知らせいたしますが、朝比古さんの21句「十徳ナイフ」が、「俳句研究」の今月号(2月号)に掲載されていますので、ぜひお読みくださいね。

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