「ぬ」と「き」
投稿日: 2月 6日(金)23時58分6秒
そうですね。リズムの点から言えば、「避暑に来て 貧乏ゆすり してをりぬ」だから「貧乏ゆすり(を)」と考えた方がよいかもしれませんね。「ぬ」については、私は「完了・強調」の意(小学館の古語辞典の説明にもありますが)として習ってきたので、そのように書かせてもらったのですが、ちょっと調べてみたら、研究者の中には「存続」的な意味合いを「ぬ」に持たせている人もいるようです。これは知りませんでした。旺文社の古語辞典の編集者は、そのような立場に立つ人であるのかもしれません。ただ、そのような解釈は、まだ傍流的な考えのようですが。これから先は、勝手な考えなのですが、我々が俳句で使う古語、古文はたとえば平安時代の人たちが使っていた純正の「古文」とは様々な面で異なったもの、という趣旨の意見を何かで読んだことがありますが、たとえば、今回の「ぬ」についても、本来の意味合いとは異なった用い方をしているのではないか、という気がします。それは、ちょうど過去の意味の「き」、句のなかでは「し」という形で使われる事が多いようですが、何となく「過去」とは違う意味合いで現在用いられてあるのと似たような事情があるのでは、という事を思います。学問的な背景なしに直感的な感想を書き付けているので、とんでもない勘違いをしているのかもしれませんが。もちろん言葉は、時代とともに変化し、変化することで時代の中に息づいていけると言うことがあるので、その変質は当然ということかもしれませんが。