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スレッドNo.56

美しくない句と神様の句と

投稿日: 2月 7日(土)13時46分24秒

  大空をたゞ見てをりぬ檻の鷲  高浜虚子

  えごの花遠くへ流れ来てをりぬ  山口青邨

  比良の雪春はけぶりてきてをりぬ  森澄雄

  とけるまで霰のかたちしてをりぬ  辻 桃子

  蛙鳴く中やふはふはしてをりぬ  矢島渚男

  帰り花枝に遠慮をしてをりぬ  後藤比奈夫

  避暑に来て貧乏ゆすりしてをりぬ 爽波

  籾殻の山より縄の出てをりぬ   爽波

どうしてかくもこれらの句は美しくないのだろう。舌頭にも躓く。
それは「てをりぬ」という言葉が美しくないためだ。みにくい日本語の典型のひとつだろう。
わたくしは権威には一切おもねらないから、いかなる著名人が使おうが美しくないものは美しくないと発言する。みんなまとめて大馬鹿野郎である。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿七連発(笑)。この中では虚子が古株だから、彼が諸悪の根源か。だらだらだらけて説明するような言葉を寸鉄の俳句に持ち込むな、大たわけ。
風邪でのびてるのでひまだから、万葉集、古今集、新古今集、梁塵秘抄、閑吟集、和漢朗詠集、百人一首、塚本邦雄全集、毛吹草、川柳末摘花、謡曲百番、芭蕉俳句集、蕪村俳句集、加藤郁乎俳句集成などをひもとくも「てをりぬ」などというけったいでなんやしょもない日本語は見当たらず。
日本語の乱れにしとど枕を濡らしておりぬ猫髭でありぬ。

きっこさん、そうですか、爽波は有名じゃないんですか。俳壇には疎いので知りませんでした。
わたくしは立風書房の「現代俳句全集」第四巻巻頭で爽波を読んでいただけですが、1977年当時、句集を一冊しか出していないのに破格の扱いだったし、三島由紀夫が歌人の春日井健と並んで激賞していたので、わたくしの世代では一目置かれている作家でした。水上瀧太郎や吉田満や藤枝静雄と同じく社会人としても著名であり、文学馬鹿でないところも凄いなあと思うておりました。

  掛稲のすぐそこにある湯呑かな  爽波

自作ノートで読み捨てて読み捨てて最後の最後に来た句としてあげられている句です。俳句の神様が来た句とはこういう句をいうめり。

ひとみさん、猫の句ありがとう。カミサンと大笑い。

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