冬空をかくす大きなものを干す 爽波
投稿日: 1月31日(土)15時46分17秒
郵便が冬の空より来てをりぬ
遊起さん、もし「春の空」であれば、誰もが良い知らせと感じるでしょう。
「冬の空」だからこそ、読み手それぞれに受け取れるのです。
嬉しいことがあった人は、この句を読み、広く澄んだ冬空を思い、良い知らせだと感じるかも知れません。
つらいことがあった人は、寒々とした冬空を思い、悲しい知らせだと感じるかも知れません。
俳句を読むと言うことは、作者がどのような気持ちで作句したのかを推測することではなく、その時の自分の気持ちのまま素直に読み、感じたままを受け取れば良いのです。
ですから、「春の空」では柔軟性の無い陳腐な句になってしまいますが、「冬の空」であるために、嬉しいことがあった人の心にも、悲しいことがあった人の心にも、どちらにも響く作品になっているのです。