雑巾を干して帰るや弓始 爽波
投稿日: 2月11日(水)11時05分57秒
季語の力を感じます。弓始の説明など何も要りませんね。この雑巾を干すまでに何がなされて何を感じたか、想像が広がります。白足袋、袴、しなった弓、矢の放たれる音。拭き清められた板の間を矢道からの風がなでてゆき、「帰る」で弓道場を囲む冬木立も見えてきました。
いい句だなあと心の中で思うだけでなく、拙いながらもこうして文章にすることは、牛の反芻のように消化吸収がよくなって、少しでも自分の俳句上達の手助けになるのではないかと思うこの頃です。