健やかな尻みそなはす甘茶仏 爽波
投稿日: 2月12日(木)18時04分9秒
句集未収録、結社誌「青」の平成3年6月号に発表された句です。
「みそなはす」と言うのは「見行はす」と書き、「見る」の尊敬語で「御覧になる」と言う意味の言葉です。
腰をかがめる、と言うか、お尻を突き出し、小さな柄杓で仏様に甘茶をかけているのは、きっと女性なのでしょう。
順番を待っていた作者は、小さな甘茶仏よりも、前の女性の立派なお尻に目が行ってしまいました。
そして、その女性が去り、自分の番が来た時に、その去って行く女性のお尻を仏様が「みそなは」していると感じたのでしょうか。
「尻」と言う文字をはさむ「健やかな」と「みそなはす」によって、上質なユーモアを感じさせる句になっています。