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スレッドNo.85

朝顔や良き句に大き二重丸 爽波

投稿日: 2月13日(金)16時52分13秒

第四句集「一筆」におさめられている、昭和62年、64才の時の作品です。
文机に、多くの会員から届いた投句用紙の束を置き、次々と選句しているのでしょう。
赤いサインペンを持ち、良い句には丸を、そして特別に良い句には二重丸をつけて行きます。
とは言っても、厳しさでは定評のある爽波の選句です。
二重丸をつける句など、めったに現れません。
そして、何百句と過ぎて行き、初めて爽波の顔に笑みが浮かびました。
手にしたサインペンは、ひときわ大きな二重丸をつけています。
それは、まるで庭先にひらいた朝顔のような、大きくて立派な二重丸でした。

爽波は、仕事と俳句を両立していましたが、ずっと、俳句だけに専念したいと望んでいました。
そして、還暦を迎えた昭和58年、仕事を定年退職し、以後の8年間は、念願通りに俳句だけの生活を送りました。
この句からは、自由に俳句と関わっていられる作者の喜びが、ひしひしと伝わって来ます。

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