◆ハイヒール句会 第4回◆ ☆四月「春の水」☆ ◆きっこ入選◆
◆捩れたる紐のごときが春の水 龍吉
◎水道の蛇口から、絡まるように出て来る水の様子ですね。「ごとき」を使わずに表現できれば、もっと良くなりますね。
◆入学式暖色ばかりのオムライス 水星人
◎とても良い句なのですが、上5も下5も名詞なのと、中8になってしまっているのがもったいないですね。
◆春爛くや亀は水辺に首を伸べ Jtak
○まさに春爛漫と言った句なのですが、もう一歩踏み込んで、写生して欲しいですね。
◆春の水ビバルディーを響かせて ぱふぱふ
◎季語と描写の響き合いは素晴らしいのですが、中6の字足らずがもったいないです。
◆人気なき峪の息吹や花御堂 ナナ
○キチンとできている句なのですが、きれいにまとまり過ぎていて、新しみを感じませんでした。
◆春の水をとこの洗ふ魚かな 緑袖
○季語から発想した句は、えてしてツキスギになりがちです。季語を変えれば、とても良い句になるでしょう。
◆あいびきの月も見えいる春の水 はな
◎月と水の関係がハッキリと伝われば、とても良い句になります。中7を「月を映して」とすれば、関係が立脚します。
◆春水や巨木うち臥すあたりより いち
○良い句なのですが、残念ながら「春の水」が生きていません。「秋の水」に変えても、成り立ってしまうのです。
◆白鷺の脛あらはなり春の水 哲仁
◎中7の表現が素晴らしいですね。ただ、白鷺などの脚を詠んだ句は多いので、特選にはいただけませんでした。
◆羊刈る人と羊の呼吸音 知香
◎ちょっとでも呼吸が合わないと、羊がイテテッてなっちゃうのかしら?(笑) リアリティーが希薄なのがもったいないですね。
◆久方に落ち葉旅立つ春の水 葦樺
○季重ねは仕方ないとしても、「旅立つ」と言う擬人化はよろしくないですね。
見たままを詠んだほうが、ずっと良くなるでしょう。
◆春水に肘まで濡れて月曜日 宏
◎中7までは何気なく進み、下5でグッとひねる形は、とても良いです。面白い句なのですが、少し観念的なのが惜しいですね。
◆対岸は造幣局の遅桜 ハジメ
◎好きな句なのですが、「は」で理が発生してしまつているのが残念です。「の」なら特選にいただいていました。
◆たはむれに猫とキスする啄木忌 哲仁
○忌日の句のポイントを押さえているし、とても良くできている句です。切れがあれば、もっと良くなりますね。
◆洗車にも優しき陽気春の水 まさし
◎キズは多いですが、自分の感じたことを自分の言葉で詠っているので、とても好感が持てる句です。
俳句とは、こうあるべきですね。
◆たんぽぽのやうに生きたや自然体 雪音
○この形では「たんぽぽ」は季語になりませんが、十分に季感を持っている句ですね。