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◆ハイヒール句会 第5回◆☆ 平成15年5月 月例句会「こどもの日」☆◆きっこ特選☆七句◆

     きっこ特選☆七句


  先生の持つ羊蹄花を旗印 知香

羊蹄花(ぎしぎし)は、河原や土手などに良く見られる背の高い薄緑の穂状のお花です。
俳句は「省略の詩」ですから、言わずにどこまで感じさせるか、と言うことが重要です。
ただ「先生」と言っても、政治家や医者、作家など様々ですが、この句は、幼稚園の年長組か小学校の低学年の先生であると言うことがキチンと伝わって来て、土手の道を先生に着いて行く、元気の良い子供たちの姿や笑い声が聞こえて来ます。すべては「羊蹄花」と言う季語の手柄なのです。


  ゆつくりと刻ながれゆく新茶かな ナナ

一服の新茶の良い香りが、豊かな時間を演出してくれています。
俳句は「形」が大切で、同じ題材を同じように詠っても、形ひとつで良くも悪くもなります。この句は、途中に切れが無く、ゆっくりと下って行く一物仕立てで、最後を「かな」で止めているので、句意と句形が響き合い、読み手にまでゆったりとした時間を与えてくれています。
とても形の美しい句ですね。


  はつなつの風呂底揺るる水の影 宏

この時季になると、街路樹や街を行く人々の服装などにも、初夏の眩しい光を感じます
が、「お風呂の底の水の影に初夏を感じた」と言うのは、とても素晴らしい発見です。
お湯ではなく「水」と詠んだところがこの句の成功した部分でしょう。「水」には、まだ汚れていない透明感や「昼間である」と言う状況までもが詠み込まれていて、季語との響き合いが生まれているのです。


  鯉幟たたむや目玉上にすゑ 知香

「視点を変える」と言うことは、類想を避ける上でとても重要なことです。
鯉幟が空を泳いでいる句はとても多く、類想類句に陥りやすいのですが、少し視点を変えて、鯉幟を出すところ、仕舞うところなどを詠んでみると、まだまだ新しい発見があります。
小さく畳んでも、「すゑ」と言う表現から、その目玉が大きいこと、そしてとても大きな鯉幟であることが見えて来ます。


  白波を立てて舟行く端午かな 松太

この小舟は、こどもの日とは関係なく、たまたま作者が目にしたものなのでしょう。
しかし、上5中7の描写、そして一物仕立てにしたことにより、まるで犬や猿やキジを従えた桃太郎がへさきに立ち、鬼が島へと向かって行くようにも感じてしまいます。
多くを語らずに、読み手に様々なイメージを喚起させることができるのが、秀句の条件でしょう。


  信号を魔法で変へるこどもの日 かへで

子供の頃に信じていた、サンタクロースや魔法使いなどをだんだん信じなくなり、みんなつまらない大人になって行きます。
芭蕉は「俳諧は三尺の童にさせよ」と言いましたが、子供の頃の純真な目こそが、客観写生を実践して行く上で、一番大切なことなのです。
実際、年をとってから俳句を始めた人ほど、今まで何とも思わなかった身の回りのものに、子供のように目をキラキラさせるのです。
横断歩道の信号が青になったのも、本当は魔法の力なのかも知れません。


  弁当の箸は若葉の小枝かな ふじけん

「若葉のついた小枝を箸にした」と言うことしか伝えていないのに、瑞々しい新緑や鳥の声、川のせせらぎまでもが聞こえて来ます。
大自然の中へ出て、溢れるほどの季語に囲まれた時こそ、その中のどの部分を切り取るか、と言うことが重要になります。
一本の大木を上から下まで全部描く油絵とは違い、俳句と言う短詩は、枝先だけを描き、あとは余白の力で大木をイメージさせる水墨画の世界なのです。

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◆ハイヒール句会 第5回◆☆ 平成15年5月 月例句会「こどもの日」☆◆相互選・特選感想◆

  ◆妹の目に眩しき兄やあやめ太刀 雪音
4人姉兄の末っ子の私はすぐ上の兄の後に付いて遊んでいましたから、チャンバラごっこの相手をさせれていました。普段はお姉さん達に弱い兄でしたが5月5日だけは刀を振り回して大威張りしていたのを思い出します。(☆夏海)

  ◆ゆつくりと刻ながれゆく新茶かな ナナ
新茶の香りが漂ってくるようです。(☆遊起)
新茶の風味を楽しんで、時のたつのを忘れているようです。(☆哲仁)
刻む時と摘む新茶がシンクロしてお茶畑のゆったり感を心地良くしている。(☆真路)

  ◆ケチャップのぶばと噴き出すこどもの日 きっこ
ほのぼのしている。この日なら、ケチャップを出しすぎても子どもはあんまり叱られないのかな・・・(笑)(☆水星人)
ケチャップをどばっとかけて大好きなオムライスを食べる嬉しそうな子供の顔が見えてきました。(☆むらびと)

  ◆はつなつの風呂底揺るる水の影 宏
風呂に水を張り終えた気持ちの涼感があります。もちろん木目の揺れる木の風呂ですね。(☆龍吉)

  ◆逃ぐる季の尻尾見えたり棕櫚の花 哲仁
シュロの花を逃げる季節のしっぽと見立てたところがおもしろい。今の時期、どんどん進んでいく季節がうらめしくもあり、その気持ちをうまく代弁してくれました。(☆かへで)

  ◆弁当の箸は若葉の小枝かな ふじけん
お箸忘れたら、さっと小枝で箸を作ってくれるような彼。いいなあ。(☆えみ)
嬉しい気持ちが伝わって来ます。(☆宏)


  ◆鯉のぼり保育器の子のなほいとし 麦秋
産まれたばかりの赤ちゃんは小さくって本当に大きくなるのかと不安でもある。子どもと季語の鯉のぼりはつきすぎのようですが、この句は良いのではないか思います。(☆ふじけん)

  ◆亡母(はは)くれし飾り続ける武者人形 遊起
思い出が、いっぱい詰まってるんだと、伝わってきました。(☆まさし)

  ◆赤チンの膝上げしまま菖蒲の湯 龍吉
これっぽっちの傷なんか痛くないやい、と強がって口をとがらせていた子が、神妙に膝をぬらさないように菖蒲湯に入っている。百まで数えるのよ。そっと覗いたお母さんの笑い出しそうな声。しあわせなシーンですね。(☆知香)

  ◆足踏みのオルガンの音初節句 ぱふぱふ
男の子がこいのぼりでも歌いながらオルガンを鳴らしているのか・・。楽しい足踏みをして。(☆ハジメ)

  ◆曲面の陶の並びて柿若葉 哲仁
新鮮な空気の空の下、僅かな湿り気が5月らしい。(☆雪音)

  ◆夜遊びのミュールぱたぱた走梅雨 きっこ
遅くなって慌てて帰る様子が浮かび面白い句です。(☆ナナ)

  ◆ものさしの届かぬ背中菜種梅雨 宏
むかし祖母が縁側でよくやっていた風景です。隔靴掻痒という程でもないが、この季節晴れたらほんとに気持がいいのに...。わたしには、思いがけない発想でした。(☆Jtak)

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◆ハイヒール句会 第5回◆☆ 平成15年5月 月例句会「こどもの日」 披講一覧 ☆

  1. 風荒き峡の旧家の武者幟 Jtak (ふじけん)

  2. ひとすぢのひび深皿にこどもの日 水星人 (哲仁、Jtak)

  3. 鯉幟クラーク博士を思ひだし

  4. 菖蒲湯や袋の粉を掻きまわし ふじけん (まさし)

  5. ままごとの道具散らばり鯉幟

  6. 鯉幟一緒に飛んで福来たる

  7. 万緑に向けてホースで水かける かへで (ふじけん)

  8. 妹の目に眩しき兄やあやめ太刀 雪音 (☆夏海、きっこ、松太)

  9. コビトの靴探して歩く夏つばめ

 10. 夕餉には筍飯くうよき日かな

 11. ゆつくりと刻ながれゆく新茶かな ナナ (☆きっこ、☆松太、☆遊起、☆哲仁、☆真路、えみ)

 12. 鯉幟たたむや目玉上に据ゑ 知香 (☆きっこ、ハジメ、かへで、夏海)

 13. 子供の日未熟な子にも誕生日

 14. 突き抜けるぶどうの蔓や屋根の上 遊起 (きっこ)

 15. ケチャップのぶばと噴き出すこどもの日 きっこ (☆水星人、☆むらびと、ナナ、知香、かもめ、遊起)

 16. はつなつの風呂底揺るる水の影 宏 (☆きっこ、☆龍吉、哲仁、ぱふぱふ)

 17. 粽結ふいとこはとこと打ち揃ひ 龍吉 (かへで)

 18. 鯉のぼり母と私とよその人 ハワハワ (きっこ、真路)

 19. 味噌つけてばりばり食めるキャベツかな

 20. 逃ぐる季の尻尾見えたり棕櫚の花 哲仁 (☆かへで、きっこ、ぱふぱふ)

 21. 風吹いてなびく早苗に季節感

 22. 夏空に悠々として飛行船 ハジメ (まさし、松太、宏)

 23. 紙芝居上野に来てる端午かな えみ (きっこ、水星人)

 24. ひと声につぎ一斉に雨蛙

 25. パソコンの文字少し鬱五月晴れ 水星人 (きっこ、雪音)

 26. 粽まく女三代顔よせて かもめ (きっこ、ぱふぱふ)

 27. 弁当の箸は若葉の小枝かな ふじけん (☆きっこ、☆えみ、☆宏、知香、むらびと、哲仁、ナナ)

 28. クレヨンをぽっきりと折る武者飾り

 29. 「初陣」の前に「端午」とプログラム

 30. 信号を魔法で変へるこどもの日 かへで (☆きっこ、知香、宏)

 31. 去年の月呑んで光るや鯉のぼり

 32. フィナーレの脚高々と合歓の花 夏海 (きっこ、ぱふぱふ)

 33. こどもの日父を従者に子が通り

 34. 風音のはしやぎはじめる鯉幟 きっこ (雪音、むらびと)

 35. 新しき道路若葉の町つなぐ

 36. 椎咲くや黒猫は頬ひたこすり 知香 (ハジメ、雪音、遊起、Jtak)

 37. 鯉のぼり保育器の子のなほいとし 麦秋 (☆ふじけん、きっこ)

 38. 亡母(はは)くれし飾り続ける武者人形 遊起 (☆まさし)

 39. こどもの日油煙棚引く鉄の町

 40. 赤チンの膝上げしまま菖蒲の湯 龍吉 (☆知香、きっこ、宏、かもめ、哲仁、えみ、Jtak)

 41. もりもりとちまき食べたら増えた傷

 42. 白波を立てて舟行く端午かな 松太 (☆きっこ、知香、かへで)

 43. 菖蒲湯の女も結へる兜かな 哲仁 (☆ぱふぱふ、ハジメ、ふじけん)

 44. 天高く泳ぐ幟は見栄の数

 45. 曳き船が曳き船を抜く夏の昼 ハジメ (きっこ、松太、龍吉、えみ、宏、ふじけん)

 46. 化粧水首にもたたき五月かな えみ (水星人、雪音)

 47. 新緑やうそをついてゐる電話 水星人 (えみ、真路)

 48. 山寺の磴千段の新樹光 Jtak (きっこ、松太)

 49. 梅の実を数え終わりてからす鳴く

 50. 夜遊びのミュールぱたぱた走梅雨 きっこ (☆ナナ、かへで、遊起、夏海)

 51. 五月闇乳房弄るもみじの手 かもめ (水星人)

 52. クレヨンの短く折れて鯉幟 夏海 (龍吉)

 53. 矢車のひかりは音へ夜を紡ぐ ナナ (龍吉)

 54. 先生の持つ羊蹄花を旗印 知香 (☆きっこ、かへで、Jtak)

 55. 五月晴れたっぷり浴びるひと日かな むらびと (きっこ、ナナ、まさし)

 56. 足踏みのオルガンの音初節句 ぱふぱふ (☆ハジメ、きっこ、まさし)

 57. 毎年の飾兜のしぐれていくか 真路 (きっこ)

 58. ふたりして歩く家路や花蜜柑 かへで (真路)

 59. 柏餅揃えた膝の小刻みに 雪音 (遊起)

 60. 春日傘少し傾ぐは君のため 麦秋 (むらびと)

 61. ものさしの届かぬ背中菜種梅雨 宏 (☆Jtak、☆かもめ、夏海、龍吉)

 62. もつれあふ緋鯉真鯉や鯉幟 龍吉 (ハジメ)

 63. 豚草や左手だけで瓶に挿し

 64. 僕よりも父さん無邪気な子供の日

 65. 新緑の香りかき消す野外宴 まさし (きっこ、むらびと、ナナ)

 66. よべの雨薔薇の花よりこぼれけり 松太 (夏海、かもめ)

 67. 風五月ハイヒールには七センチ

 68. 曲面の陶の並びて柿若葉 哲仁 (☆雪音、真路、水星人)

 69. 鯉幟家族一同絡み合ふ

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◆ハイヒール句会 第5回◆☆ 平成15年5月 月例句会「こどもの日」☆

選句一覧では、得点のあった作品のみ、名前を開いています。
カッコ内は、その句に投票した人の名前、特選に選んだ人には☆がついています。

*「さんちゃん」が今月より「かもめ」と俳号を改めました。

今回は披講が遅くなってしまい、どうもすみませんでした。
また、きっこ入選句の感想は、BBSにて行ないたいと思います。
『ハイヒール句会BBS』には、入選に選んだ句の感想や、その他の質問など、どんなことでも、どんどん書き込んで下さいね♪

図書館註:きっこ入選句の感想は、BBSに移行したため、BBSは保存対象ではなかったため、バックアップされておりません。


  ◆相互選◆

  ◆相互選・特選感想◆

  ◆きっこ特選☆十句◆

開始日 2003/05/26
更新日 2003/05/27

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◆ハイヒール句会 第4回◆ ☆四月「春の水」☆ ◆きっこ特選☆五句◆

  葱坊主背筋伸ばして海を見る ハジメ

背筋を伸ばして海を見ているのは作者なのに、まるで一列に並ぶ葱坊主たちもみんな揃って背伸びをしているように感じてしまいます。
気持ち良い海風に、心までシャキッとするようですね。


  跳ね上がる鯉の力や春の水 えみ

魚と水の取り合わせは、普通ならツキスギになってしまいますが、この句の良さは、ありふれた題材である「鯉」を新しく詠っていることです。
鯉だけでなく、水にまで力強さを感じる句です。


  箸置きの猫笑つてる春の水 さんちゃん

かわいらしい猫が、ごろんとした箸置きなのでしょう。
この春の水は、キッチンの水なのか、庭の池の水なのか、はっきりしていません。
しかし、どんな水であれ、猫の笑顔のように、春を告げる温い水なのです。


  カステラにほのと湿りや花の昼 松太

カステラをフォークか何かで押してみたのでしょうか?
その弾力から、湿りを感じたのでしょう。
朝でも夜でもない、ぼんやりとした昼のひと時ですね。


  ムスカリに脚長蜂やすつぽりと 遊起

ムスカリは、小さな壺を逆さにしたような形のお花です。
その中に脚長蜂がすっぽりと納まってしまっているなんて、とてもユーモラスな風景ですね。
写生のよろしさを感じる句です。

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◆ハイヒール句会 第4回◆ ☆四月「春の水」☆ ◆きっこ入選◆

  ◆捩れたる紐のごときが春の水 龍吉
◎水道の蛇口から、絡まるように出て来る水の様子ですね。「ごとき」を使わずに表現できれば、もっと良くなりますね。

  ◆入学式暖色ばかりのオムライス 水星人
◎とても良い句なのですが、上5も下5も名詞なのと、中8になってしまっているのがもったいないですね。

  ◆春爛くや亀は水辺に首を伸べ Jtak
○まさに春爛漫と言った句なのですが、もう一歩踏み込んで、写生して欲しいですね。

  ◆春の水ビバルディーを響かせて ぱふぱふ
◎季語と描写の響き合いは素晴らしいのですが、中6の字足らずがもったいないです。

  ◆人気なき峪の息吹や花御堂 ナナ
○キチンとできている句なのですが、きれいにまとまり過ぎていて、新しみを感じませんでした。

  ◆春の水をとこの洗ふ魚かな 緑袖
○季語から発想した句は、えてしてツキスギになりがちです。季語を変えれば、とても良い句になるでしょう。

  ◆あいびきの月も見えいる春の水 はな
◎月と水の関係がハッキリと伝われば、とても良い句になります。中7を「月を映して」とすれば、関係が立脚します。

  ◆春水や巨木うち臥すあたりより いち
○良い句なのですが、残念ながら「春の水」が生きていません。「秋の水」に変えても、成り立ってしまうのです。

  ◆白鷺の脛あらはなり春の水 哲仁
◎中7の表現が素晴らしいですね。ただ、白鷺などの脚を詠んだ句は多いので、特選にはいただけませんでした。

  ◆羊刈る人と羊の呼吸音 知香
◎ちょっとでも呼吸が合わないと、羊がイテテッてなっちゃうのかしら?(笑) リアリティーが希薄なのがもったいないですね。

  ◆久方に落ち葉旅立つ春の水 葦樺
○季重ねは仕方ないとしても、「旅立つ」と言う擬人化はよろしくないですね。
 見たままを詠んだほうが、ずっと良くなるでしょう。

  ◆春水に肘まで濡れて月曜日 宏
◎中7までは何気なく進み、下5でグッとひねる形は、とても良いです。面白い句なのですが、少し観念的なのが惜しいですね。

  ◆対岸は造幣局の遅桜 ハジメ
◎好きな句なのですが、「は」で理が発生してしまつているのが残念です。「の」なら特選にいただいていました。

  ◆たはむれに猫とキスする啄木忌 哲仁
○忌日の句のポイントを押さえているし、とても良くできている句です。切れがあれば、もっと良くなりますね。

  ◆洗車にも優しき陽気春の水 まさし
◎キズは多いですが、自分の感じたことを自分の言葉で詠っているので、とても好感が持てる句です。
 俳句とは、こうあるべきですね。

  ◆たんぽぽのやうに生きたや自然体 雪音
○この形では「たんぽぽ」は季語になりませんが、十分に季感を持っている句ですね。

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◆ハイヒール句会◆ ☆ 第4回 月例句会「春の水」☆ ◆相互選・特選感想◆

  ◆跳ね上がる鯉の力や春の水 えみ
☆鯉の勢いで水が跳ね上がるようすがいいですね (遊起)

  ◆あら走つてる飛んでゐる春の夢 さんちゃん
☆夢の俳句はつまらないと言いますが、この句は思わず笑ってしまう、それでいて納得してしまう大変楽しい句です。「あら」が効いてます (宏)

  ◆春爛くや亀は水辺に首を伸べ Jtak
☆とても穏やかで春らしい世界だと思います (水星人)

  ◆春の水ビバルディーを響かせて ぱふぱふ
☆優雅な感じがしていいです (はな)

  ◆スニーカー干すや紐より春の水 きっこ
☆ピクニック楽しかったな。腕まくりしてごしごし洗ったスニーカー。口笛を吹きつつ、よく日が当たる物干棹の先端へ干そう。うひゃあ、まだこんなに水が入っていた!。いきおいがあって元気溌剌という感じです。 (知香)

  ◆花冷やもういちど聴くオルゴール 知香
☆失われた恋の記憶でしょうか?深い余情が漂います。 (Jtak)

  ◆春水の目高きらきらきらきらと 遊起
☆目高の動きがきらきらの言葉のくり返しで春水と響きあってとても好き (ナナ)

  ◆爪の色かすかに染めて春の水 夏海
☆マニュキアを遠慮がちに薄く、しかしぴかっと光らせて、春の水も爪も新鮮 (ハジメ)

  ◆覚めてなほ恋覚めやらぬ沈丁花 雪音
☆沈丁花がよいと思いました。 (さんちゃん)

  ◆佇める影を流れて春の水 龍吉
☆格調高く、美しい (えみ)

  ◆葱坊主背筋伸ばして海を見る ハジメ
☆日常から離れて海を見る。畑に放置されている葱坊主のように。(哲仁)
☆若々しい感じをいただいた (緑袖)

  ◆久方に落ち葉旅立つ春の水 葦樺
☆春の水がよく表われていると思います (雪音)

  ◆春水の水輪に水輪重なれる 龍吉
☆「水輪に水輪重なれる」がなんとも美しいと感じました。 (夏海)

  ◆箸置きの猫笑つてる春の水 さんちゃん
☆措辞の巧みさに。春の水を上に置いても一句だが、やはりこの姿だろう。粗略で剽軽な猫の笑みが水を漲った金ボールの底にたゆとうています (いち)

  ◆初虹や小島を巡る給水船 きっこ
☆気持ちのいい句です。瀬戸内海を巡るような船でしょうか、給水船に具体性があります(龍吉)
☆瀬戸内でしょうか、虹が小島を巡って行く船を背にして、と考えると、四国側の小高い山から瀬戸内を見ている様な感じを受けました。 (葦樺)

  ◆たんぽぽのやうに生きたや自然体 雪音
☆本当、そんな風に生きていきたいです。田舎でも、なかなか難しいです。 (まさし)

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◆ハイヒール句会◆ ☆ 第4回 月例句会「春の水」☆ ◆披講一覧◆

  1. 春水の山肌砕け散り行けり

  2. 検診のしづかに押して藤の花 宏 (水星人)

  3. 跳ね上がる鯉の力や春の水 えみ (☆きっこ、☆遊起、まさし、松太、宏、夏海)

  4. 捩れたる紐のごときが春の水 龍吉 (きっこ、遊起)

  5. 花冷えのきいちごジャムの煮詰まれり

  6. 入学式暖色ばかりのオムライス 水星人 (きっこ、ぱふぱふ)

  7. もう来ない君を待ってる桜坂

  8. あら走つてる飛んでゐる春の夢 さんちゃん (☆宏、いち)

  9. 春爛くや亀は水辺に首を伸べ Jtak (☆水星人、きっこ)

 10. 春の水どつと都会に流れ込む ハジメ (緑袖)

 11. 咲くほどに花遠くなる桜かな

 12. 春の水ビバルディーを響かせて ぱふぱふ (☆はな、きっこ、ナナ)

 13. 馴れ腐る鳩百態の日永かな

 14. スニーカー干すや紐より春の水 きっこ (☆松太、☆知香、かへで、さんちゃん、雪音、はな、夏海)

 15. 花冷やもういちど聴くオルゴール 知香 (☆Jtak、雪音)

 16. 静かなる入り日に揺れて春の水

 17. 夕暮れに窓から覗く桜かな

 18. 春水の目高きらきらきらきらと 遊起 (☆ナナ、龍吉)

 19. 子供らとたんぽぽを跳び瀬を跳んで 松太 (かへで、いち、葦樺)

 20. 爪の色かすかに染めて春の水 夏海 (☆かへで、☆ぱふぱふ、☆ハジメ、Jtak、哲仁、葦樺)

 21. 人気なき峪の息吹や花御堂 ナナ (きっこ、えみ、遊起)

 22. 覚めてなほ恋覚めやらぬ沈丁花 雪音 (☆さんちゃん、まさし)

 23. 春の水をとこの洗ふ魚かな 緑袖 (きっこ、宏、いち、雪音、龍吉、知香)

 24. 春一番へレンケラーの言霊ぞ 水星人 (哲仁)

 25. 舞う桜浮かれ人らの手本なり

 26. あいびきの月も見えいる春の水 はな (きっこ)

 27. 封筒から支払ふ幹事花月夜 宏 (夏海)

 28. 佇める影を流れて春の水 龍吉 (☆えみ、ハジメ)

 29. 満開のさくらの幹にある温み

 30. ジャズを聴くカクテルグラス春惜しむ

 31. 葱坊主背筋伸ばして海を見る ハジメ (☆きっこ、☆哲仁、☆緑袖、松太、Jtak)

 32. 黄砂降るここもアジアの大地かな

 33. 春水や巨木うち臥すあたりより いち (きっこ、葦樺、緑袖)

 34. 白鷺の脛あらはなり春の水 哲仁 (きっこ、遊起)

 35. 羊刈る人と羊の呼吸音 知香 (きっこ、ナナ、宏)

 36. どことなく氷を残し春の水 ぱふぱふ (水星人)

 37. ペリカンの嘴(はし)あふるるや春の水

 38. 赤く赤く燃ゆる思ひや牡丹の芽 かへで (龍吉)

 39. 散る花の川の流れに踊りけり 遊起 (まさし)

 40. 土まみれの鍬ひたしあり春の水 松太 (知香、哲仁、葦樺)

 41. 飯蛸だチョコのオマケに叫び声

 42. 風吹きて踊子草の手振りかな

 43. 歯磨きも鼻歌まじり春の水 雪音 (ハジメ)

 44. 読み耽る藤沢作品春しぐれ ナナ (さんちゃん)

 45. 久方に落ち葉旅立つ春の水 葦樺 (☆雪音、きっこ)

 46. 春水に肘まで濡れて月曜日 宏 (きっこ、はな、知香、哲仁)

 47. 花の夜の特訓らしや剣道部 えみ (はな)

 48. 春水の水輪に水輪重なれる 龍吉 (☆夏海、かへで、ハジメ、Jtak、緑袖、水星人)

 49. 鳥帰る口あんぐりと開けしまま

 50. 春の水スポットライト青になる 水星人 (遊起)

 51. 届いたよ桜前線北上中

 52. 箸置きの猫笑つてる春の水 さんちゃん (☆きっこ、☆いち、宏)

 53. 対岸は造幣局の遅桜 ハジメ (きっこ)

 54. たはむれに猫とキスする啄木忌 哲仁 (きっこ、ナナ、かへで)

 55. 初虹や小島を巡る給水船 きっこ (☆龍吉、☆葦樺、えみ)

 56. 春キャベツ踏む胎児(はらご)を踏むやうに

 57. コンビニに髭の伸びたる遍路来る かへで (松太、いち、雪音、)

 58. 軽やかに良きことありて春の水

 59. 姫鏡春の水もてみがきけり 知香 (ハジメ)

 60. 光りては消ゆるうたかた春の水 Jtak (雪音、さんちゃん、龍吉)

 61. さはさはと雨戸を叩く山椒の芽 夏海 (えみ、緑袖、松太)

 62. 洗車にも優しき陽気春の水 まさし (きっこ、はな)

 63. ムスカリに脚長蜂やすつぽりと 遊起 (☆きっこ、ナナ、えみ)

 64. カステラにほのと湿りや花の昼 松太 (☆きっこ、水星人、さんちゃん、知香、夏海、Jtak)

 65. 春の水リハビリの声高らかに

 66. たんぽぽのやうに生きたや自然体 雪音 (☆まさし、きっこ)

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◆ハイヒール句会◆ ☆ 第4回 月例句会「春の水」☆ 2003年(平成15年)4月

今月のお題は「春の水」です。

選句一覧では、得点のあった作品のみ、名前を開いています。
カッコ内は、その句に投票した人の名前、特選に選んだ人には☆がついています。
『ハイヒール句会BBS』には、入選に選んだ句の感想や、その他の質問など、どんなことでも、どんどん書き込んで下さいね♪

  ◆相互選◆

  ◆相互選・特選感想◆

  ◇きっこ入選◇

  ◇きっこ特選◇

《ハイヒール句会日程》
投句期間 毎月1日~15日
選句期間 16日~22日
披講 23日
開始日 2003/04/21
更新日 2003/04/21

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◆ハイヒール句会◆ ☆ 第3回 三月句会「雛祭」☆ ◆きっこ特選☆◆

     きっこ特選☆五句


  蝙蝠の飛びこんでくる雛祭 倭瑠(しずる)

蝙蝠(こうもり)は「かわほり」とも読み、夏の季語になっていますが春に羽虫などが飛び始めると、それを食べるために出て来ます。
裏に山や森のある家なのでしょうか?部屋の灯りに誘われた羽虫を追って雛の間に飛びこんで来た蝙蝠。大騒ぎする子供達の姿が見えるようです。


  右足も右手も私春の雪  さんちゃん

右足、右手と特定しているのですから、右半身の具合が悪いのでしょうか?
「~も~も」と言う、俳句ではあまり良しとされていない言い回しもこの右半身を特定した描写によって、とても深い想いを表現しています。希望を感じさせる「春の雪」が、作者の心情を代弁しています。


  ももいろにゆきいろ混じり雛あられ  龍吉

白を「ゆきいろ」と表現し、さらに平仮名で表記したことにより雛あられの味だけではなく、口の中に溶けて行く感覚まで思い出させてくれます。そして、子供の頃の思い出が蘇って来ます。


  囀やお城のやうなラブホテル jtak

東名高速で横浜インターに差し掛かると、ディズニーランドのシンデレラ城のようなラブホテルが林立しています。
小鳥達の囀りは、ご休憩じゃなくて、お泊りでひと晩愛し合った次の日の朝を表し、そしてもう一度愛し合う、恋人達の囁きのようにも聞こえます。


  パンジーやのそりのそりと胴長猫  知香

庭に降り立った雀を見つけた猫は、そっと縁側から庭に降り背丈の低いパンジーに身を隠すように、耳を平たくして、少しづつ、少しづつ進んで行きます。でも、なぜか腰が引けていて、前足は進むのに後ろ足がなかなかついて来ません。なんだか、伸びきったアコーデオンのようです(笑)。

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合計22件 (投稿22, 返信0)

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