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スレッドNo.7

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第2回 例句会「梅」☆ ◆きっこ特選☆◆

          《きっこ特選5句》

  雲ぽつん猫の目草のまなことろん 麻由子

ネコノメソウは、山の湿地帯などに生え、実が割れるとその名の通り猫の目のように見えます。一般の歳時記には取り上げられていませんが2月から3月にかけて花弁の無い花を咲かせ、花の形も丸くて猫の目のようです。
山の上の真っ青な空に、ぽつんと雲がひとつ浮かび、あまりの気持ち良さに、作者もネコノメソウもなんだか眠たくなって来ました。

  足跡の向きさまざまに霜柱 ぱふぱふ

子供の頃、朝一番に誰も踏んでいない霜柱を発見した時って、何だか宝物を見つけたみたいな気持ちになり、あとから来る子たちに踏まれないように必死で踏みまくりました(笑)。
「向きさまざま」と言う描写が、子供の小さな足跡を伝えてくれます。冬の句ですが、早春を感じさせてくれますね。


  くたくたとおでん煮つまる梅見茶屋 ナナ

せっかく梅を見に来たのに、人影もほとんど無く、梅林は閑散としています。
肝心の梅はまだ二分か三分だし、人恋しさに、遠くに見える赤い幟(のぼり)のほうへ行ってみると、誰もいない梅見茶屋に、煮詰まったまずそうなおでんが....。
ひと言も「梅」を詠っていないのに、梅林の梅の状態や人の様子まで見えて来ます。


  顔洗ふ猫の手くるりクロッカス 手毬

顔を洗っている時の猫の顔って、どの猫も笑っているような表情をしています。
春の日差しいっぱいの濡れ縁で、夢中で顔を洗う猫。たまに耳のうしろとかも良く動く手首をくるくる回し、器用に洗っています。庭に並んで咲いたクロッカスがそんな猫の様子を見ているようですね。


  赤ちゃんの産毛ふうわり梅三分 じゅんこ

近所の公園で、ベビーカーをほったらかしで、おしゃべりに夢中になっている若いママたち。
そんなママたちのおしゃべりも、すやすやと眠る赤ちゃんの耳には、小鳥のさえずりのようにしか聞こえないのでしょう。時折吹くやわらかい春風が、梅の香と幸せを運んで来ます。

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:42)

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