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スレッドNo.587

クリスマス妄想☆

万里様、皆様、メリークリスマス!

昨年のクリスマス妄想の前後のエピソード…という、なんとも進んでない(でも進んでる?)お話ですが、貼り逃げさせていただきます。

・長髪イケメン男装遊ちんと希代美ちゃんのデート
・独占欲でちょっぴりダークな龍
・昨年のクリスマスエピの事後のラブラブな二人

という、3部構成になっております。

タイトルは「Possessive」(=独占欲)です。
どうしても、今日貼り逃げたかったので、ちょっと文章が荒いかも…
楽しんでいただけたら幸いです。

では、皆様、素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ♡

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クリスマスまであと数日と迫った、ある日の大型ショッピングモール。
吹き抜けに飾られた大きなツリーの前にいた希代美に、いかにも軽そうな二人連れの男が声をかけてきた。


「かーわいいかーのじょ、誰かと待ち合わせ?何なら俺たちと、どっか行かない?」


「えっ?あの、困ります…!あたし、」


「そーんなこと言わないでさあ」


無遠慮に彼女の腕を掴もうとした男の手を、後ろから伸びてきたしなやかな手がひねり上げた。


「痛ってえ!何すんだてめえ!」


「遊さん…!」


「あんたら、人の連れに何手ぇ出してんだよ。」


「な、何だよ、お、男連れか、つまんねぇ、行こうぜ…」



二人の男は、勝ち目はないと見たのか、そそくさと、逃げるようにその場を立ち去った。



「希代美ちゃん、大丈夫?ごめんね、遅れちゃって。」


「う、うん、へーき。」


希代美は、遊を見上げて、ほぅ、とため息をついた。


「…遊さん、かっこいい…!」


「…え?、あ、」


遊は、何かを思い出したように、がっくりと肩を落とした。


「遊さん?」


「……さっきの奴らに…男だって、言われた。やっぱ、そう、見えるんだ…。」


遊の今日の出立は、紺色のダッフルコートにジーンズのパンツ。髪は一つに束ね、キャップを目深に被り、伊達メガネ…というユニセックスなスタイルだった。
女性としては高い身長にスラリとした手足、化粧をしていなくても端正な顔立ちは、やはり人目を惹く。


(…無理ない…よね。ホントに綺麗でカッコいいもん。)


「遊さんってば、大丈夫よ!遊さんは、どんな格好していたって、遊さんだよ。」


希代美は必死に落ち込む遊を宥めた。


「カッコよくて、綺麗な、希代美の大好きな遊さんだよ…?」

そう言うと、漸く遊は顔を上げた。


「ごめん…希代美ちゃん。こんなことで落ち込んでちゃダメだよね。せっかくの、希代美ちゃんとのデートだもん。」


すまなそうに遊が微笑む。


「うん!そうよ!じゃ、気を取り直して…」



その時。




「あーっ!ヒノユウ!!」

心臓が止まりそうになるほど、大声で誰かが叫んだ。




「やっと見つけた〜。ヒノユウがCMでつけてた口紅!この色、どこ行っても品切れだったんだよね〜。クリスマスまでに絶対欲しかったんだ〜」


女子高生と思しき女の子たちが、きゃあきゃあ、騒いでいる。ちょうど目の前はコスメ売り場だった。

彼女たちは、店内に貼られている美貌のポスターの張本人が、まさかこんなに近くに居るとは夢にも思っていないだろう。



「び、びっくりした…」


「ゆ、遊さぁん…」


希代美ちゃんが、遊の背中をやさしく擦る。







遊の出演する化粧品のCMは、巷ではこの冬一番の話題といっても過言ではなかった。



雪が舞う中、新曲にのせて、歌う遊の姿。


やがて、ふわりと微笑む彼女の唇。


甘さを抑えたローズピンクのそれは、少女のような無垢さを見せるが、彼女がこちらを見据えた瞬間、それは妖艶な女性のそれに変化する。



その一瞬に―――



誰もが釘付けとなった。





「ねえ、実は、あたしもつけてるんだ、CMのルージュ。」

「え?」

「遊さんのとは、違う色だけど。お店の人に、あたしはこの色の方が似合うって言われたんだぁ」


希代美ちゃんが自分の唇を指さす。


淡いチェリーピンクのそれは、彼女にとても似合っていた。


「本当だ。凄く可愛いよ。」


漸く平静さを取り戻した遊が、微笑む。


「ゆ、遊さんに、そんな風に褒められたら…う、嬉しい。」


希代美が真っ赤になって、照れるので、何だか遊もつられて赤くなってしまった。




希代美ちゃんと、二人で出かけるのは、亜矢子のマンションを出て、龍と暮らしはじめてからは、これが初めてだ。

『クリスマスプレゼントを選ぶのを兼ねて、久しぶりに遊さんとデートしたい!』

と、希代美からのお誘いだった。






「ねえ、遊さん。お兄ちゃんへのクリスマスプレゼント、何にするか決めたの?」


「ううん、まだ。何がいいか思いつかなくて…」


「うーん。お兄ちゃんへのプレゼントは『遊さん』が一番いいとおもうけどなぁ。」


一瞬聞き流しそうになった、希代美ちゃんの、思わぬ爆弾発言に、


「ななな、何言ってんの希代美ちゃんてば…!」

と、遊は狼狽える。


「うふふ…遊さんてば、照れちゃって。可愛い。」



(希代美ちゃんて、結構、小悪魔だよな…)



遊はなかなかフクザツな気分で、苦笑した。





まずは、自分が欲しいものを、と希代美は手袋、遊はマフラーを品定めしていた。


(あ、これ、すごくあったかい。)

遊は、白にグレーとベージュのチェック柄マフラーを手に取った。


「そちらは、100%カシミヤなんですよ」


店員がにこやかに声をかけてきた。


「カシミヤ?すごく柔らかいんですね。」



そして、ふと、思いついた。


「あの、これ、男性用もありますか?」


「ええ、もちろん!今、お持ちしますね。」


そそくさと、店員が持ってきてくれた、何色かのバリエーションの中から、遊は龍に一番に合いそうな、グレーを基調にしたものを選んだ。そして、もうひとつ、自分用には、先程の白を。


「じゃあ、これと、これを。」


「有難うございます。プレゼントにラッピングいたしましょうか?」


遊は少し考えて、


「いえ、いいです。」


と、答えた。



(お揃いって…バレちゃうかな。でも、いいよね。色だって違うし。)


龍と同じ暖かさを感じたい。
マフラーをする度に、龍も同じ温もりを感じていると思えたら…なんて。


(これって、やっぱり独占欲…なのかな?)


遊は、そんな事を思いながら、少し顔が熱くなるのを感じていた。






*****






「…なあ、あのCM観た?ヒノが出てるやつ。」


スタジオ内の喫煙所には、どうやら既に何人かたむろしているらしく、壁の向こうから聞こえる会話に、龍は足を止めた。


「ああ、やっぱ、スゲーイイ女だよな。」


「正直、あの火鷹が、ああなるって、反則だよな。」


「ほんっと、龍の奴、ズルいよな〜。あんなイイ女独り占めするなんてさ」


「けどさ、別にまだ結婚してるわけじゃないんだからさ、まだチャンスはあるわけじゃん?」


「やめとけ、やめとけ。天下のセントラルレコードの代表取締役の女だぜ。
バレたら、どんなことになるか…」


「けど、それくらいの価値はあるってことだよ。
あ〜あんな女抱けたら、永久追放になってもいいよな〜。ホント龍が羨まし…」



「オレが、何だって?」



突然、姿を現した大谷龍に、その場の面々が固まった。


「…何か、楽しそうな話だな。」


龍が無表情に煙草に火をつける。


「い、いや、あんたが羨ましいって話をしてただけさ。」


「何が?」


「みんな知りたがってんだぜ。ヒノって、アノ時はどんな風なのかってさ。さぞかし…」


ギロリと、冷たい視線を向けた龍は、ゆっくりと煙を吐き出してから、


「…お前、そんなこと言ってっと、共演NGにするぞ。」


その声は、酷く低くて、その場を凍り付かせるのには十分だった。


「な、なんだよ、そんな怖い顔すんなよ、軽い冗談じゃねえか。これくらいで、お、怒るなよ。」


「怒ってる…?オレが?」


龍が口の端を歪めた。


「じ…じゃあ、俺たちはこれで…」


さっきまで軽口をたたいていた面々は、龍を残してそそくさと、立ち去っていった。


龍は、その後ろ姿を一瞥すると、ふうっと、煙を吐き出して、


「……共演NGだな。」


と、呟いた。








「龍、どうしたの?怖い顔して。」


亜矢子が、不思議そうに顔を覗き込んだ。


セントラルレコードの事務所に戻ってからも、さっきの会話が頭から離れず、表情が険しくなっていたらしい。



「あ、ああ、いや、何でも…」



ふと、彼女の左手の薬指に光るモノが目についた。


彼女もそれに気づいたのか、微笑んで


「なあに?この指輪が気になった?
もしかして…遊へのクリスマスプレゼントとか、考えてる?」


「え?いや、その…」


龍が言い淀むと、


「いいじゃない。遊、きっと喜ぶわ。」


「そう…かな?」


「そうよ。知ってる?あの子…あなたから貰ったペンダント、いつもつけてるのよ。『お守りだ』って言って。」


「……ああ。」




「ねえ、龍。あなたは、まだ早い…とか、思ってるかも知れないけど…。
あの子をちゃんと守るには、早めにけじめをつけた方がいいんじゃないかって、私は思うの。」




また、先刻の腹立たしい会話を思い出す。




『結婚してるわけじゃない』




だから…と、彼女にアプローチしてくる輩は後をたたない。

殆どは、その場で彼女自身がキッパリと断るが、相手がスポンサーともなると、そうもいかないことだってある。

下心満載なお誘いの数々を、これまでは、マネージャー、亜矢子、時には矢崎社長まで動員して、どうにか切り抜けてきた。



あいつは、何も言わない。



けれど、少なからず、彼女が苦い思いをしていることは事実で。



あいつらの会話に…まるで…彼女が辱められているように感じて、はらわたが煮えくり返った。
誰も…あいつをそんな目で見ることは許さない。


彼女を、傷つける奴は許さない。


あいつを守るためならオレは…




「…龍?」

亜矢子の声に、龍は我に返った。


「…志摩さんの、言うとおりだよ。」


龍はそう言うと立ち上がって、コートを羽織る。



亜矢子は、事務所を出て行く龍の後姿を微笑んで見送った。







冷たい外気に首をすくめて、襟をたてる。




今も迷いはある。


小さな指輪は、彼女を守るのか、それとも…縛り付けるのか?


あいつは、どんな表情をするだろう?


それでも、オレは……



龍は迷いを断ち切るように、冬の夜空を見上げ、その一歩を踏み出した。







*************







朝日が柔らかく射し込むベッドで、腕の中の存在が身動ぎして、龍はうっすらと目を開けた。


その愛しい存在は、昨夜、彼女の薬指に贈ったそれを眺めて、この上なく幸せそうに微笑むと、自分のその指に口付けた。



その美しい姿に、幸せが込み上げる。



龍は彼女の手を取ると、自分の指と絡ませ…その指にキスを贈った。


「龍……」


もう片方の手で、彼女の頬を撫でると、彼女は擽ったそうに目を細めた。



「結婚しよう。」



龍の言葉に、彼女は目を見開く。



「りゅ、う…?」


「…春頃に、二人でまとまった休みが取れるよう、調整する。
ジョーに…お前の花嫁姿を見せたい。」


「りゅっ…」


遊の目から涙がこぼれ落ちる。



「…返事は?」


「りゅうっ…!」


遊は、腕を龍の首に回して抱きついた。



「うれしい…っ、どうしよう、こんなの…幸せ過ぎてどうしたらいいかわかんないよ…っ」



「ああ、オレも。」



遊の頬にキスをひとつ落とす。



遊が涙に濡れた顔を上げたから、



二人、見つめあって、微笑んで、



深い口付けを交わした。







END

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万里さま みなさま
出遅れました〜( ノ;_ _)ノ

盛り上がっていて 部員の皆様の変わらない二人への愛を感じて
嬉しかったです‼️

残り少なくなりましたが 本年度&来年度もますます
妄想 楽しみたいです(*^^*)

こりすさん♪
こりすサンタさんからの プレゼントありがとうございました‼️
遊ちんの お揃い…でもバレないよねってカワイイな
とキュンキュンし
龍の独占欲にもドキドキしました〜
そして そう‼️こんなラストが欲しがったの♪
ありがとう ありがとうございましたm(__)m

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こりすさん、うふふ♡( ̄m ̄* )でニヤニヤ( ̄∀ ̄ なストーリーありがとうございます。

男前な遊ちんも当然カッコイイし、男どもの欲望掻き立てる話題沸騰のCM美女な遊ちんも尊い✨
龍がウカウカとしていられない気持ちになるほどイイ女で、
下世話な奴らに邪な目で見られるのが許せないなんて、
いや、だけど龍を動かすきっかけになったモブ連中はむしろいい仕事してくれました(笑)
何気に標準語になってる希代美ちゃんが都会ナイズされていて年月を感じます。
そしてきっと気を許したときにたまに出る博多弁に方言女子の威力を発揮するんですねw

皆様、寒さに負けない熱い妄想で年末年始の部活自主トレに励みましょう〜(* ̄∇ ̄*)

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