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スレッドNo.255

論語でジャーナル’24

 子貢、君子を問う。子曰く、先ずその言を行う、而(しか)してのちこれに従う。

 子貢がたずねた。「君子とはどんな人ですか?」。先生が言われた。「先ず主張したいことを実行し、それからのち主張する人のことだ」。

※浩→子貢は孔子の弟子の中で言論の第一人者でした。孔子は子貢の短所を直接指摘しないで、「不言実行」が大事だということを、そっと促したのでしょう。言葉として表すべきものを先ず行動として表し、その後に言語が行動を追っかけるということであると、吉川幸次郎先生の解説にはあります。
 よく「沈黙は金」と言われますが、『論語』でも「里仁篇」に「君子は言に訥(とつ)にして行に敏ならんことを欲す」とあります。口先の巧みさよりも、実際の行為が大切だということです。アドラー心理学でも、「言っていることよりも“していること”を信じるようにと言われます。今の私からは想像もできないかもしれませんが、私は1980(昭和55)年に備前高校から岡山工業高校に転勤してからは勤務中ほとんど無口でした。あるとき校長室に呼ばれて、当時の和田道夫校長から「大森さんはサイレントマンですね」と言われたことがあります。この校長さんにはよく校長室へ呼ばれていました。もちろん、良いことに関してです。
 西洋では「有言実行」でしょう。論理実証主義のウィットゲンシュタインは、「語りえないことは沈黙しないといけない」と言っています。野田先生は、「ということは、語れることに関してはしっかり語らないといけない」と解釈されていました。アドラー心理学では、「言ったことは必ず実行し、実行しないことは言わない」と言われます。こうしていると、ほんとに子どもに信頼される親になれそうです。「有言不実行」では、子どもは「うちの親は言うだけじゃ」と思い、親を信頼しないでしょう。先生も、実行できないことは言わない。言ったことは実行する。「やさしく、きっぱり」です。

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