論語でジャーナル’25
17,子曰く、晏平仲(あんぺいちゅう)、善く人と交わり、久しくして人これを敬う。
先生が言われた。「晏平仲(あんぺいちゅう)という人は、誰とでも良く交流するが、いつまでも相手に対する敬意を持ち続けて交際した。
※浩→晏平仲は晏子(あんし)として知られる晏嬰(あんえい)のことで、父親の晏弱とともに大国・斉(せい)の名宰相でした。徹底した質素倹約と謙虚な挙措に努めて国を栄えさせた聖人君子として、同時代の君子(為政者)から大きな尊敬を集めていました。処世にも優れた晏子は、誰からも好かれ尊敬される儒学の理想に近い人格者で、国内の権力闘争にあっても多くの敵を作ることはありませんでした。為政者としての完成を目指す君子の道においても、多くの人と交流して、多くの有益な関係を築き上げることが大切なのです。「久しくして人これを敬う」を、上のように訳すのとは別に、「交際が深まれば深まるほど相手の人が晏嬰を尊敬した」という訳があります。いずれにしても、人と人とが長く誠実なおつきあいを続けることは難しいものです。年賀状の枚数の変化からもわかります。私の場合、定年退職を堺に変化しました。定年前は毎年100枚ほど利用していました。退職後次第に減少してこのお正月は半分の50枚ほどでした。一方で、わずかではありますが、お顔も忘れてしまった人から賀状をいただくいことがあります。ごく最近、お顔も名前も記憶がない岡山工業高校の卒業生から突然メールをいただきました。とても感動しました。彼は、自身の人生の壁につきあたったとき、アドラー心理学からヒントを得て見事に立ち直られたそうです。インターネットで私のこのHPを発見されたそうで、最大限の敬意のこもった文体でのメールをいただきました。寿命が10年は延びた気がします。ありがとうございました。