酒折連歌
毎年、4月から9月に文部大臣賞酒折連歌賞の募集があります。提示された片歌(5題)に答えの片歌を五・七・七で作ります。
連歌は問いの歌に片歌で問答する日本文学のひとつで、甲府の酒折宮が発祥と言われています。
サイトの説明では、
『古事記』には、「倭建命(やまとたけるのみこと)(日本武尊)」が東征の帰路、酒折宮に立ち寄り、
新治(にいばり) 筑波を過ぎて 幾夜か寝つる
(新治、筑波の地を通り過ぎて、ここまで幾晩寝たのか)
と問いかけたところ、かがり火を焚(た)いていた老人が、
かがなべて 夜には九夜 日には十日を
(日数を重ねて、夜では九夜、昼では十日ですよ)
と答えたと記されています。
「4・7・7」の片歌の問いかけに対し「5・7・7」の片歌で答える片歌問答になりました。
倭建命は、その老人の才能を誉めて「東国造(あずまのくにのみやつこ)」の称号を授けたそうです。
と、なっています。
2014年のお題は、
問いの片歌 (一) 笑わないで答えてほしい本当のこと
問いの片歌 (二) 満天の星を巡らせ指揮棒止まる
問いの片歌 (三) イヤホンをはずして月の光を浴びる
問いの片歌 (四) とけてゆく空のかなたに青い風船
問いの片歌 (五) 大丈夫 霊峰富士の声が聞こえる
で、2月1日に百選が発表されました。
大賞に選ばれた方は北海道在住の78歳の男性。(二)の片歌を詠まれました。
(満天の星を巡らせ指揮棒止まる)振り向いてベートーヴェンは喝采を知る
百選を拝見していると、その発想の大胆さや柔軟性に驚きます。また、感性のやり取りという連歌ならではの魅力もあります。
毎年3万句以上の応募があると聞いたことがありますが、連歌が更に広がるといいなと思います。
今年も4月にはお題が発表されると思いますが、興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。