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スレッドNo.1170

選句鑑賞

  2 北窓閉づ老の塒を調へり (ちとせさん) 1
    中七に惹かれました。「老の塒」とは言いえて妙。私は寝る前に暖房を切ることにしていますが、まずは室温を整えること。
   私の場合ベットでないので蒲団を延べること、風呂、食事は済ませたはず。後は何があるんだろう。独り寝の場合衣類は枕元 
   に、念のため懐中電灯も。老いの塒ってこんなもんでしょうか。昨日火事で母屋が丸焼けになった友人夫妻の見舞いに行ってき
   ました。漏電だったとか。二人ともやけど程度で済みお元気でした。密集地なので類焼が無くホッとしたとのこと。風が無く
   運が良かったとも。戸締りと火の元には十分気を付けましょう。お互いに。

  9 下萌へを促すチェロの重低音 (菫さん) 4
    この句、上五と下五のマッチングに惹かれました。いかにもありそうな因果関係。野外演奏会がイメージされました。心に響
   く心地よい作品ですね。心が洗われました。

 35 紀の字もつ父と呑みたる建国日 (かをりさん) 3
   紀元節ですね。現在の建国記念の日。実は私もこの日に名古屋で生を受けています。大雪の日だったようです。お城の近くだっ
  たので三才時に亡くなった考がその年が寅年と言うこともあり加藤清正に因んで正清と付けたそうです。お蔭であまり勇ましくあ
  りません。ちなみに家康は寅年寅日寅刻生まれとか。「どうする家康」では、「兎」年を両親が数刻早め「寅」にしたとの描写が
  ありましたね。この句、紀元節の一字を貰った父との一献。作者の祖父母はどのような気持ちで名付けたのでしょうか。今と違い 
  昔の紀元節は価値があったようです。

 47 立春の光に濡れて鎖樋 (市原さん) 4
    鎖樋が解らずネットで検索しました。いろいろあるんですね。金属製ですので輝いている様子が見えます。それも立春の光。
一瞬目がくらっとする美しさでしょうか。貴重な一瞬をとらえた佳句と思い戴きました。

 69 狐火やいまよみがへる資本論 (てつをさん) 3
    今、アメリカの若者を中心に経済論が議論されているようです。格差の増大に加え過度のインフレが原因のようです。このまま
  ではいつ恐慌が勃発してもおかしくない状況、このことはノストラダムスの予言の中にも含まれているようです。我が国も蚊帳の
  外視できないゆゆしき問題です。作者は狐火の季語を借りてこの怪しい気配を表現しています。多様性の闊歩する時代、資本主義
  の有り方にも時代の波が押し寄せているようです。

◎90 日本を洗濯すべし菜の花忌 (アイビーさん) 3
    菜の花忌は、こよなく菜の花を愛し長崎を作家の根拠地とした司馬遼太郎の忌日ですが「龍馬がゆく」など幕末の戦乱の
作家の印象が強いですね。でも、今朝の読売新聞朝刊愛知版に「岡崎城・大樹寺」の見出しで「覇王の家」が紹介され、その中
  で 大河ドラマで渦中の徳川家康が主人公として描かれている本書にスポットを当てています。いずれにしてもこの作、日本の現状
  を踏まえ「日本を洗濯すべし」と言い切る潔さに圧倒され迷わず特選に戴きました。司馬遼太郎顔負けの骨太の作品ですね。

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拙句 日本を洗濯すべし菜の花忌 を取り上げていただき有難うございます。坂本竜馬は筆まめな人で故郷の姉の乙女さんにあてた手紙の中に「もう一度日本を洗濯いたすべく候」との文言があります。

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