自句自解
8 翅搏ちて供華に触れてゆく炎暑かな
久しぶりの墓参。500基ほどの墓地だが造花は無いので枯れが目立つ。始末するつもりだったが墓はきれい。後で知人が始末してくれたそうだ。メールで知った。彼は墓仕舞いも視野に入れているようす。わが家も同じような条件、墓石に水を掛け乍ら無人の墓でぼーっとしていたらアゲハ蝶が一羽、水が欲しいのかついと来て飛び去った。
36 緑蔭に入りて己の影を解く 6
9月6日付け読売新聞「とうかい文芸」欄に月間賞として≪方蔭に入りて我が影を見失う ・KS≫が掲載されていた。何故か気になり句歴を確認したところ平成15年の欄に36番の句を見出した。同じ句材で心を動かされたKさんに親近感を持つと共に少し古いですが手つかずだったので当欄に投稿した。5人の方の賛同を得ヨシさんには特選を戴いた。有難うございました。
47 目瞑りて手筒花火の行者めき
これはテレビでの作。手筒花火を手に火の子を浴び続ける花火師の姿に感動した。白装束で屹立する姿は私には行者めいて映った。後での歴史の解説や老・若の花火師のコメントなど興味深く聞いた。文化財に指定されているのかな、手筒花火。
81 油照り路地に野菜の直売旗
最近リハビリの為自転車を止め極力歩いている。その旧道路のビルの影に昇り旗を見かけた。「野菜の直売」とある。
100円均一で側に料金箱が置いてある。早速、「紅薩摩」と「野菜の詰め合わせ」を購入持ち帰った。家内へのサービスのつもりだったがその反応は確認できなかった。1週間ほど後「ミニトマト所望」と書いて投函しておいた。どうも郊外の農家のようだ。空の時も多いがどうも夕方に野菜を置くらしい。
100 蝉時雨下校の列を乱しをり 3
9月1日、この日は忙しかった。3年間ぶりに行う「市制50周年記念式典」、自治区の防災訓練、それに小学校の始業式・あいさつ運動と続いた。今日は始業式なので下校も一斉、校区別に整列して自治区、コミュニティ地域住民に見守られながら下校したが折しも耳をつんざくばかりの蝉時雨。子供達も驚いた様子。蝉は健在だ。何しろ数が多い。
大府市は10万都市を目指しておりマンション等も相次ぎ建設され地域の大府小学校の1,000人超えも近い。10年前の再現である。
36 緑蔭に入りて己の影を解く
最後まで取るかどうするか迷った句でした。7句ルールで涙を飲みました。