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スレッドNo.2310

アイビーの俳句鑑賞 その3

アイビーの俳句鑑賞 その3

例によってアイビーの俳句鑑賞3原則に則ての感想です。お気に障ったら平にご容赦。

秋晴や三角籤の一等賞 (玉虫) 
抜けるような秋晴れ、何かいいことがありそうな予感。ところが市井のは大部分の人は波乱万丈のドラマなど起きない。せいぜい三角籤で一等賞が当たる程度のことだ。大事件ではなく、敢えて身ほとりの些末な事柄を秋晴れと取り合わせた作者の作句センスに見るべきものがある。それでいいと私も思う。世はなべて何事もなし。

終わりなき風の遊び場秋桜 (弥生)
コスモスに風を吹かすのは定番。従って平凡に風を吹かせたのでは面白くないし、それこそ掃いて捨てるほど類想句がありそう。夏井いつき先生の言う脱凡人を目指さねば。その点、「終わりなき遊び場」というユニークなフレーズを発見したのは作者の大殊勲。脱凡人に見事成功した。コスモスの句として出色の出来栄えだ。

やれやれと子を送り出す休暇明 (ヨシ)
子育て真っ最中か、子育て経験豊富な人が圧倒的に共感する句。子を送り出す先は、言うまでもなく学校である。安堵感と解放感は大っぴらには言えないが、本音はそういうことだ。これは母親ならではの実感だろう。そこへ行くと、父親はそこまでのことはないが。

空腹を癒す喉越し冷し汁 (ふうりん)
「冷し汁」は夏の季語。歳時記によっては記載のない歳時記もあり、その意味で珍しい季語と言えよう。汁仕立ての総菜を冷蔵庫などで冷やしておく。食欲の減退する夏場にあって食が進む。これも生活の知恵だろうか。まして空腹を満たすために、喉越しのよさもあってうってつけの食材だ。夏向きの清涼感のある句。

包装紙見てどつと沸くお中元 (ふうりん)
お中元の季節ともなると、贈る方も貰う方もいろいろ気を使う。なかには毎年同じ品を、同じデパートで誂えることもあるのではないか。毎年同じ品なら包装紙を見ただけで中身が分る。それが家族全員の好物だったりすると、包装紙を見ただけでどっと沸く。家族全員がリッチになる一瞬だ。

湖風を受けて伊吹の大花野 (てつを)
伊吹山の植生は日本海側の植生と聞いたことがある。勿論、高山植物系の植生もあるが、高山植物のお花畑は夏の季語で、秋の花野とは区別される。湖風というのは琵琶湖から吹き付ける風を言うのだろう。色とりどりの植物に包まれた伊吹山の花野。旅情を誘う一句。ところでこの時期、伊吹山の花野にはどんな花が咲いているのだろうか、作者のてつをさんに伺ってみたいところだ。

爆ぜ口にちらり新肌石榴かな (和談)
秋、民家の庭や野に見かける石榴、爆ぜて赤い実があらわになる。その爆ぜ口、なにやら艶めかしく、性的なものを感じるのは私一人だろうか。何となくエロいのである。和談さんは爆ぜ口を新肌と表現した。私と和談さんは、結局は同じことを言っているのではないか。そんな気がしてならない。いずれにせよ、大胆に言い切った表現が小気味よい。

目瞑りて手筒花火の行者めき 
手筒花火は三河地方独特の花火。掲句は惜しくも無点となったが、雰囲気はよくわかる句だと思う。自分の身に火の粉が降りかかっても、一人が脱落すればチーム全員の努力が無駄になるから耐えるしかない。その様子を「行者めき」と捉えた。たまたま無点となったが別のところへ出すとガラッと変わることはよくある。

以下次号、不定期掲載

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コスモスと風の組み合わせはよくありますが、弥生さんの句は「終わりなき風の遊び場」と真似のできない個性的な表現があり、凡百の句とは大違いです。

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アイビーさん、鑑賞ありがとうございます。
コスモスに風は付き物ですが、その可憐さを表すのにやはり風は欠かせないと思い、
何とか辿り着いた表現です。
今年はコスモスも開花が遅れているとの事。
早く涼しい風が吹きコスモスが喜んで揺れる様子が見たいですね。

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玉虫さんが籤で一等を当てられた由、おめでとうございます。武豊町の特産の溜り醤油が賞品だそうで、いいものが当たりましたね。武豊町里中地区は、溜りのメーカーが軒を接しています。南蔵はその中のメーカーですね。8月句会で私が「片陰や路地の向かひも溜り蔵」という句を出しました。里中地区の情景を詠んだものです。

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アイビーさん、三角籤で一等賞を当てました!
我が町のお稲荷さんのお祭りです。
南蔵と言う老舗のたまり醤油一升!
一升瓶など最近は持ったことがありませんでした。
欲張り婆さんは、お爺さんに見せたくて、よっこいしょ!と持ち帰りました。
鼻息荒く報告しました。
何しろ一等ですもの。
浮かれていたら、カマキリに脅されて、悲鳴を上げる羽目になりました。
取り込んだ洗濯物から、ポトリ・・・。
鼻息荒く足音高く、オマケに悲鳴です。
今月は暑さに泣き、籤で笑いカマキリに悲鳴と、賑やかな日々でした。
講評ありがとうございました。

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