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スレッドNo.2354

選句鑑賞

 5 マジック点灯野球佳境や獺祭忌 (尾花さん) 3
 子規と野球についてはいろいろ語られていますが特に野球を「のぼーる」と自分の名前に因ませるなど「やるねぇ~」の感。野球と共に育った我々にとってはやはり野球は特別なもの。マジックは「この数字を勝てば優勝」の数値です。
対象のチームが負ければ数は減ります。でもマジックは消滅する場合もあります。だから「マジック」か。両リーグとも優勝チームは決まりましたがクライマックス対象チームの熾烈な戦いが続いています。焦点に「マジック点灯」か、意表を突かれましたね。
 
21 末広に呑んで半田の初嵐 (かをりさん) 3
 アイビーさんの評に関してコメントしましたが、「末広」の固有名詞がはたしてふさわしいのか、「半田」にしてもよく通販の広告で出ている「半田の手打ちうどん」があります。いずれも一部の地域では通用しますが全国版とは言えません。大府にも「山喜のうどん」という老舗がありますが詠んでも大府の方しか解らないのでは。いずれにしても誰が見ても解る固有名詞は別として、使う場合は「前書き」が必要と思いますが如何。句としては末広に疑問を感じながらも捨てがたく頂きました。「末広」を「居酒屋」または「料亭」としてはまずいですかね。「初嵐」が全てを包み込んでくれそうですが。

22 異国語の耳に粘つき秋暑し (アイビーさん) 7
 中七がすとんと落ちました。大府ではあまり異国語に出会うことはありませんが雑踏での会話などテレビで見るとイラつきます。聞き慣れないからでしょうか。これからは国際化が進みます。外国人からみた日本語の響きはどうでしょう。今の若い方達はあまり意識していないかも知れませんが。

50 秋黴雨ぱちんと開く女傘 (糸瓜さん) 3
 これは中七でしょう。この擬音が効いていますね。何度読み返してもリズムよし、感度よし、鬱陶しいと思える現状とはかけ離れた世界を見るようです。

95 夕暮れて胡弓切なき風の盆 (束束子さん) 7
 大府もそうですが最近の盆踊りには「供養」の要素は全くと言っていいほど感じられません。「夏まつり」の一環としての盆踊りに過ぎません。私の田舎の盆踊りは一つで10ほどの動作の繰り返し。その代り音頭は物語になっていて延々と続きます。それに海水に付けて乾燥させた酒樽の太鼓が絡みます。一晩踊り続けます。先祖供養の典型です。この句の風の盆、テレビで見ましたが鋭角の深編笠で顔を隠し粛々とした踊りと胡弓の切ない響き、夕暮れと相まってその風情はえも言われない雰囲気でした。神秘的ですらありました。

101 萩の道老の黄昏歩を運ぶ (和談さん) 1
 萩の花はどこか影を持ちます。特に夕暮れは。作者は己の姿に重ねて詠んでいます。共感はしますが何故か切ない。
作者は私と同年、今度は早朝歩きましょう。違った感覚が湧くかも知れません。

104 落鮎のはだら見尽くす道祖神 (かをり) 3
 はだら(ぶち)が気になりましたがまだらの雅語的表現と知り納得しました。これは何といっても道祖神ですね。落鮎の状況はテレビでしか知りませんが産卵を終えた鮎の終焉の姿でしょう。はだらとありますが全身傷だらけなのでしょう。それを川沿いの道祖神が愛おしむかのように見守っています。作者と共に。迷わず特選に戴きました。

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