選句の感想を
アイビーさん、お疲れさまです。
檸檬の句に一票ありがとうございます。
ちょと格好つけすぎた句でした。
明日から信州方面へ小旅行のため、とり急ぎ選句の分だけ、観賞させていただきます。
21 蓑虫や眉も描かずに籠りゐて (ヨシさん)
うっかり見逃すところでした。
蓑虫の雄は蛾になって飛びますが、雌は一生巣を出ないとか。作者の日常(境涯)を中七から下五にかけて雌の蓑虫に語らせた、お見事なザ・俳句です。
特選でいただきました。
以下番号順で。
3 加齢てふ診断下る残暑かな (萩さん)
これはユーモアたっぷり、加齢にはかないませんよね。病院の待合室でさらっと詠んだ感じがカジュアルです。
四時間も待った結果は加齢とは 読み人知らず
9 鬼灯の佛花となりてより赤し (ナチ―サンさん)
提灯の代わりに道しるべとして、またお盆の4日間は魂は鬼灯の空洞の中に身を宿して過ごすと言われています。
うーん、より赤しがこの句の肝なのですね。
アイビーさんも述べておられましたが、作者の感性に脱帽。
15 虫の夜のソロよりやがてシンフォニア (えのころ草さん)
時間の経過を詠むのは私には技量不足で・・・
過不足無くすっきりと仕立てられ、シンフォニアで決まっております。
25 蛇笏忌の蒼き山々遙かにす (ナチ―サンさん)
故郷の甲斐の山国でその生涯を閉じた蛇笏、裏山の一帯を「山廬」と称しそこからの眺望をおもわせます。
蛇笏になった気分で詠まれているのが素敵です。
たましい灯る忌の句でありました。
31 蜻蛉やあの日に君は朝鮮へ (てつをさん)
北朝鮮への帰国事業を詠んだ句でしょうか。
その後の辛苦をおもいますと、蜻蛉に友情と別離を託した作者の悲しみが伝わってまいります。
62 隠密の旅かもしれぬ虫時雨 (萩さん)
奥の細道は幕府の密命を受けた隠密の旅だった!松尾芭蕉隠密説ですね。
隠密の旅と響きあう虫時雨の斡旋がきまっております。
来週の連休は恒例のみちのくへ。まことに勝手ながら、はなむけの句としていだきました。
かをりさん、加齢の句、虫時雨の句の感想をありがとうございました。
92歳まで生きた私の母は、内科、整形外科、耳鼻科などで「歳だからねぇ、仕方ないよ…‼」と言われて。私は今のところ難聴だけ、まだ母に追いついていないけど……そのうちに、です。