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スレッドNo.4603

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

七五三父方母方みな来たる (ABCヒロ)
少子高齢の時代ならではの句。孫一人につき祖父祖母は4人いる。曾祖父曾祖母となると倍の8人に増える。孫の数は増えないのに、ジジババは元気で孫に連れ添うから、誰の七五三だか分らないことになる。そんな風潮をいくらかからかい気味にユーモアで包んで詠んだ。風刺の視線と、それでいながら嫌味を感じさせないのは、ユーモアの効用だろう。

穴惑ひ木に取り付いて何とする (仕手原)
蛇が冬場を控え穴に戻る。その際、もたついている様を「穴惑ひ」と言う。人間社会に置き換えいろんな場面で援用する、俳句ならではの季語だ。ところが、蛇も今年の暑さで変調をきたしたか、木に取り付いてしまった。木では俳句にならないと困惑する作者。そこをなんとかするのがベテラン、逆手に取って一句まとめた。

燗酒に小言云ふ人盃進む (和談)
左党の和談さんらしい熱燗の句。奥さんはあれこれ細かいことを言っているが、聞くふりをして適当に相槌を打ちながら、その実、意に介せず酒が進む作者。酒飲みの生態を活写した一句。もっとも活写もなにも、ご本人のことだが…。

神無月後は任せた探知犬 (エミ)
税関など麻薬探知犬の活躍は頼もしい。密輸ばかりでなく、徘徊老人の追跡にも大活躍だ。つい先だっても大手柄のニュースが報じられた。何しろ人間の数千倍も嗅覚が発達している犬のこと。わずかな手掛かりを頼りに、粘り強く任務をこなす。「あとは任せた」と言いたくなるのも無理からぬところだ。

藁塚に背中預けて語る夢 (玉虫)
11月句会のトップを飾った句。適度なクッションにもなり、藁塚には人間をリラックスさせる何かがあるような気がする。子どものころを思い返し、同様の経験をされた方は多いと思う。そんな「あるある」感に共鳴する人の圧倒的があったのであろう。かく言う私もそうだが。

冬初め立ち食いそばで終える旅 (弥生)
旅も終わりに近づいた。最後の休憩のサービスエリアで、立ち食いそばを誂えた。小腹がすいた時のそばが旨い。自宅が近づいた安堵感、満腹感、快い疲労感がないまぜになった、旅の終わりを表現して間然とするところがない。

落ち葉踏むカサカサカサとついて来る (ちとせ)
落ち葉を踏んだ時の音を表現するのに、「カサ」では物足りない。「カサカサ」でありきたりで面白みがない。ところが、この句は「カサカサカサ」と三度繰り返した。これが大成功で、平凡な句がいっぺんに生き返った。座五の「ついて来る」がまた上手い。

以下次号、不定期掲載

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穴惑ひ の季語を覚えてから秋の蛇を注意深く観察するようになりました。毎年同じところで冬を越すのだろうからそう迷うようなことはないだろうと思っていたがそうでもないのかうろうろするのがいる。去年は二匹連れが公民館の車いすのスロープに入ってとにかく上っている。行きつく先はドアがあって行き止まり、時間があれば暇に任せてみていたのだけれどそうもいかず確かめないまま帰ったがどうなったのだろうかな。他のいろいろの動物がエサを探すように行き当たりばったりでうろうろしているのが正解みたい。だからとんでもない所へ入り込んだりするのだろう。車にひかれたのを去年はよく見た。洞もない木の周りをうろついてのがいたのでちょっと聞いてみた。
穴惑ひ木に取り付いて何とする

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弥生さん、リプライありがとうございます。ご婦人が立ち入りにくい食べ物屋と言えば、吉野家の牛丼があります。近頃はそうでもないのですが、サラリーマンがワンコインで昼飯が食べられて、ボリュームがあって、味もまあまあな店は吉野家でしょう。あと、餃子の王将とか。まだありますが限がないので止めます。男の、しかも中年のおっさんが通うと、そこはかとなく哀愁が漂ってきます。

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アイビーさん、立ち食いそばの句の鑑賞ありがとうございます。
実はこれ先日の旅の実体験で、初めて駅のホームの立ち食いそば(実際にはきしめん)にトライしました。
立ち食いそばと言うと男性ばかりが利用するというイメージですが、最近は女性の利用も多いと聞いていたので
思い切って挑戦してみました。いやー、まさに早い、安い、旨い!でした。

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