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スレッドNo.4642

選句鑑賞

5 廃線に木の実こぼして鳥語降る (森野) 5◎ナチーサン
鳥同志の会話を訊いてみたいもの。少しずつ解明されていると聞く。時々庭に米の研ぎ残しを蒔いてやるが朝になると無くなっている。時に見かけるが敏感ですぐ逃げられてしまう。廃線と言う人里離れた場所だ。鳥たちの語らいの中で零れた木の実が芽を出す日も遠からずあるかもしれない。この句、実景と思うが廃線と言うマイナスの素材に心を寄せた夢のある句だ。特選に戴いた。

46 天邪鬼一茶野に帰す草紅葉 (茶々) 3
 一茶の句は身近だ。それに自然界に優しい目を向けている。不幸な家庭生活の中でユーモア溢れる天邪鬼ぶりを発揮。先般亡くなった西田敏行が一茶を演じたそうだ。野人としての一茶、人間味溢れる一茶を草紅葉がしっかり受け止めている。

48 これ何ぞ堀り上げ芋や3㌔と (ヨヨ)  1
 上五にその驚きが余すことなく素直に表現されていて好感が持てる句だ。しかし3キロの芋とは作者ならずともびっくり。先だって南瓜だったか巨大南瓜が紹介されていたがこちらの方は土や肥料など調整されたもののようだ。一方こちらは天然もの。さて、問題は調理、ヨヨさんの腕の振るいどころ。

50 身だしなみ構わぬ我が身山粧ふ (和談) 2
 歳を重ねると出かけることも少なくなり身だしなみもついおろそかになる。昨今のように気候が定まらぬ世にはなおさらだ。それでも気づかぬところで生き物達は敏感に身を処している。ふと気づくと山の気配に変化が。思わず身を正す作者。思えば我が身も自然の一部かと実感する瞬間。

103 海を見ずして海語る渡り鳥 (えっちゃんあら)   1
 自然の摂理は図り知れない。亀や鮎それに渡り鳥。彼らの帰属習性はどこから来るのだろう。季節に合わせての行動は今でも完全には解明されないと聞く。しかし親から子へとその行動は引き継がれ繰り返される。この句不思議な句だ。何度読返しても句意が一定しない。気になる句だ。選も私のみ。作者の自解を求めたい。

105 馬鈴薯のお八つで育ち長寿かな (玉虫) 5
 昔の田舎のおやつはこんなもの。特に農村では。私は薩摩芋だった。(干しいもで「ニッキと言っていた)今は「キンコ」とかの名前で都会で人気とか。ケーキとかの人工的な甘味でなく、自然の甘さが健康的。正に長寿の原動力。お八つなんて懐かしい言葉も久しぶり。おかげで虫歯もない。私も現在健康歯30本。<9020>に挑戦中。まだまだ先は長い。

106 木守柿別れの言葉さりげなく (ABCヒロ) 4 ◎ちとせ
 どのような状況だろうか。若者の巣立ちか。家族を残しての旅立ち。老いた両親を残して。さりとて涙は無く別れの言葉もそっけない。きっと独り立ちに胸膨らませている男の子だろう。木守柿がひっそりと見守っている。

109 浜菊や老ゆるは潮の引くごとし(てつを)6◎ダイアナ 
 中七下五に惹かれた。考えさせられる奥深い句だ。浜菊が句を引き締めている。何度味わっても心の襞に触れる句だ。 老境の心理を突いた切ない句だ。

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玉虫さんへ
 ご主人三重県産でしたか。私は奥志摩の漁村、田んぼは無く畠のみ。作物とて薩摩芋ばかり。最近は学校も無くなり高齢化も進み廃村寸前の状況です。先だっては芋を狙って猪が海を渡って上陸したそうです。
北海道は半世紀前友人の車で一周した思い出があります。確か有珠山の噴火直後で硫黄石を幾つか拾って持ち帰りました。今も手元にあります。ご主人によろしく。

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ナチーサン、馬鈴薯の句を鑑賞して頂きました。
北海道育ちの私のおやつは馬鈴薯でしたが、三重県育ちの主人は甘藷だったとか。
良いなー甘藷なんか食べれなかった~と、食いしん坊が、又もうらやましがります。
祖母の育てた馬鈴薯の収穫はよく手伝いました。指の先くらいの小さい物も集めます。
いたわしいから全部拾ってね!の声が今も聞こえるようです。いたわしいとは、勿体ないの事です。
鍋一杯の馬鈴薯を通りすがりにつまみ食いしたりしました。五人兄弟でしたが、つまみ食いするのは
私だけで今一番元気なのも私です。

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 成程。我々生物の故郷は海だと言います。海から発生したのだと。その思いを渡り鳥に託したんですね。海育ちの私も海には特別な思いがあります。灯台守を祖父に持つ身として漁師や海女を親に持つ同級生に時折思いを馳せますがそ
の多くは他界しました。今一度本籍を置く故郷の灯台を見たく帰郷をと思いますが叶いそうにありません。改めて読み直し「海を見ずして海語る」にジンと来ています。

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ナチーサンさん拙い俳句を詠んで頂きありがとうございます。海を見ずして海語る渡り鳥。普通で恥ずかしいです。海は人の心を癒してくれる時と悲しみもあったりそんな海に囲まれて生きる私達はやはり海とはと語るべきなのかなと

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