選句鑑賞
28 新調の切子のグラス夏来る (弥生) 4
初夏の清々しい様子が新調の切子グラスを通して余すところなく表現されています。季語とも程よく響き合った佳句と思います。
29 筍の茹であがる香や夕刊来 (楽) 6 ◎玉虫
直接句に因果関係はなく偶然と思われますが下五に惹かれました。何気ない生活を素直に表現し多くの共感を得ました。
68 鬣(たてがみ)を三つ編みされて祭り馬 (玉虫) 8 ◎アイビー
お祭りにありそうな風景、情景が目に見えるよう。さぞお馬さんも馬面を上下に振って誇らし気な気分でしょう。
70 ゼッケンのある子と無い子青葉風 (弥生) 4
スポーツの世界と思いますがこの世界も過酷、子供達はゼッケンを目指して切磋琢磨します。季語が切なく迫ってきます。
92 ごめんねと言へぬ夕餉の豆ごはん (楽) 4 ◎ナチー
主役は隠れてますが家族の一員でしょう。忖度無用。下五が切ないです。特選に戴きました。
93 卯の花や傘の雨音連れて行く (ダイアナ) 2
良いですね。中七、下五が何とも言えません。上五が主役。映画の一コマのようです。
101 真つ黒に灼かれた心黴の花 (コビトカバ) 1
梅雨時は黴のシーズン。疎ましい黴ですがいかにも日本らしい句材ですね。上五中七の思い切りの良さに惹かれました。 この
ようにはなかなか詠めません。黴の花は祷りの対象になるとか。
104 この国はこの子に託そ菖蒲風呂 (ABCヒロ) 4
思わす「そうですね」と共感してしまいました。季語が効いてますね。
ナチーサンさんへ
鑑賞ありがとうございます!
黴が主体の句は初めて投稿しました。
どんどん増える黴の花は、人の心が黒くなる時と似ていると感じました。
とっていただいて嬉しいです^ ^