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スレッドNo.6141

選句候補作品鑑賞

1 虫の夜や五十年目の母子手帳 (尾花) 4 ◎かをり
母子手帳が世界的に注目を集めているらしい。特に後進国で。この句、50年目の母子手帳とあるが断捨離の最中に出てきたのだろうか。眺めているうちに思わず愛おしさが。おりしも虫の音が沁みる夜だ。

34 おやおやと案山子の軍手填(は)め直す (玉虫) 6
なんともおかしみのある句だ。台風か雀のいたずらか防御の軍手が外れている。作者は思いを込めて軍手を嵌めなおす。
これで装備の整った案山子。傍らで雀達の苦笑が聞こえてきそう。

80 鶏頭は悲し血の色子規忌かな (ダイアナ) 1
鶏頭と言えば子規子規と言えば血、一読付き過ぎとも思われたが句の勢いに押し切られてしまった。読み返しているうちに違和感が消えた。不思議な力を持った句だ。命の真髄を突いているからか。

87 魁となるや孤高の秋茜 
魁は先駆けと理解した。真っ先に怒涛に飛び込むオットセイだったかを思い出したがここは茜、赤蜻蛉である。一名盆とんぼとも言うらしい。孤高というのだから秋口に真っ先に現れたのだろう。作者は秋を運んで来た使者を先駆けと詠んだ。潔い句だ。無点句は惜しい。

107 物干しに月待ちかねる謡本 (かをり) 1
謡いは能楽に合わせてうたうこと。謡本だからその台本だろう。そこへ中七、きっと月に纏わる恋愛ものか。そして物干しが。
ここで読者は混乱してしまう。謡本の中身なのか。現実の所作の中での一こまなのか。作者の真意を吐露していただければ幸いだ。

110 だらだら〜り用済み陰嚢(ふぐり)残暑酷 
俳句とは「芸術である。そして何よりも美醜に関係なく真実を自分の目を通して表現する手段である。また定められた基準を守とともに諧謔性を含む詩的表現を保つこと」と教えられ理解もしてきた。
この句はどうか。確かに上品とは言えないが上五は酷暑の現実を素直に表現していると思われる。先日、馬小屋、牛小屋の放映を見たがいずれも暑さ対策は為されているものの彼らの必死に暑さに耐える様子が映し出されていた。この句無点句だったが真実を素直に表現した勇気に敬意を表したい。

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ナチーさん
案山子の句鑑賞して頂きました。
ありがとうございます。
北国の暮らしが長かったもので、手袋に目が行きます。
手袋は片手を無くします。案山子の軍手も落としそう!
からの句でした。因みに手袋は紐で繋げると片方を無くすことがありません。
雪が積ってしまうと落とした手袋は、春まで見つからないのです。
子供の手袋を填め直す時の、おやおや、あらあらは、母親の台詞ですね。

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ナチーさん、鑑賞ありがとうございます。
謡を習っていた祖父へのオマージュです。
結構音量があり、祖母は外でやってと冗談めかしていました。
月の出を待つ謡本の所有者は祖父であります。わかりにくくてすみません。
いまおもうと風流なもの干し場でありました。

三択クイズを分断して申し訳ありません。

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