MENU
671,819

スレッドNo.6244

アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1

梯子獅子豊作祝ふ新酒かな (ヨヨ)
梯子獅子は知多市朝倉地域の伝統芸で、見物人をハラハラさせる曲芸に近いこともやる。本来は、豊作を祝い演じる。梯子獅子に新酒を配した作者の意図が明瞭な一句だ。

酢を垂らし骨ごと食らふ鰯かな (ふうりん)
酢と一緒に鰯を煮るのは定番料理だ。今年は鰯の豊漁が伝えられるが、秋刀魚と並んで秋の味覚にとって嬉しいニュースだ。旨くて骨まで食べられるのが鰯の真骨頂。おかげでご飯が進む。

天高くワイヤー太き河童橋 (尾花)
青く澄み渡った空。まさに「天高し」の季節だ。上高地の河童橋はシンボル的な吊り橋で、観光客の旅情を満喫させてくれる。「ワイヤー太き」との描写が上手い。それで季語の「天高く」が生きている。「天高し」と上五で切る手もあったように思う。

主いぬ萩咲く庭にある愁思 (森野)
多分、作者の夫は既に亡くなっているようだ。それでなくとも秋はもの想うことが多いのに、亡き夫遺愛の萩が咲き揃った。風にそよぐ萩を見て亡き夫を偲び、回想に耽る。「萩」と「愁思(秋思)」で季重なりになるが、それを承知の上でのことと思われる。しかし「萩」も「愁思」もこの句の重要なファクタだと私は感じた。「愁思」を別の言葉に置き換えて見たらどうであろうか。私からの提案である。


戒名は要らぬ蓮の実飛びにけり (ABCヒロ)
二句一章の句。蓮の実が飛ぶことと、戒名が不要なこととは、直接に関係しないが、微妙に響き合っている。二物衝撃の効果を狙ったものと思う。「戒名は真砂女でよろし紫木蓮(鈴木真砂女)」を髣髴とさせる一句。

酒飲みの歌聞かされる良夜かな (コビトカバ)
うんざりしたか、うっとり聞きほれたか。「聞かされる」という文言があるので「ぼやき」にも聞こえるが、まんざらでもない雰囲気が伝わるようでもある。その答えは、座五の「良夜かな」で明らかである。

やんわりとかわす揉めごと秋桜 (弥生)
秋桜はコスモスのこと。弱い風でも揺れやまぬコスモス。風とコスモスを詠んだ句は、それこそゴマンとあるが、それを逆手に取って「やんわりとかわす」としたあたり、上手いこと処理したなあと感じ入った次第。

以下次号、不定期掲載。

引用して返信編集・削除(未編集)

酒飲みの句を鑑賞頂きありがとうございます!

聞かされ、そして聞かす!!
酒を飲む事と歌を歌う事は切り離せないのです(^з^)

引用して返信編集・削除(未編集)

大変失礼なことを申し上げました。確認すれば済むことを、確認を怠りました。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーさん
天高しワイヤー太き河童橋
天高しで切れを入れた方がいいですね!  ありがとうございました。

それから
68主いぬ萩咲く庭にある愁思(森野)
この句ですが、森野さんのお知り合いの方の庭と思われます、私も感動して選句させていただきました。
森野家のご当主はとてもお元気でいらっしゃいます、他事ながらご安心を。

引用して返信編集・削除(未編集)

このスレッドに返信

ロケットBBS

Page Top