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スレッドNo.6470

アイビーの俳句鑑賞 その3

アイビーの俳句鑑賞 その3

七五三をのこの燥ぐ袂かな (にゃんこ) 
七五三はわが子の健やかな成長を願う親心から、年々盛んになっている。祝われる当の子どもは、いつもと勝手が違う晴れ着を着せられ、興奮して騒ぎ始める。特に男の子はその傾向が強い。こうした子どもの生態を観察して上手く俳句にした。ただ、子どもの「飽きっぽさ」に焦点を当てても面白かったのではないか。すぐに退屈して喧嘩が始まるとか。

身に入むや喪中葉書で知る友よ (みにょん) 
そろそろ年賀状を書く季節になった。喪中であることを知らせる葉書が届く。「えー、あの人が亡くなった」という経験は誰でもあるのではないか。よほど親しい友人でも、最近は家族葬が多いから知らずにいることがある。そうした機微を上手く纏めたが、座五の「知る友よ」は少し不自然と思う。こうしたケースは語順を変えると解決することが多い。「友の死を葉書で知りぬそぞろ寒」

ウッドもて紅葉を軽く払ひけり (羅漢)
ゴルフ場でよく見かける光景だ。ティーショットを打つ寸前、紅葉が落ちてきた。持っているウッドで紅葉を払いのけた。当のゴルファーは無意識にやってるだろうが。この句はゴルファーに焦点を当てて、さりげなく、季語の「紅葉」を登場させた趣向が面白いと思った。紅葉に代えて「落葉」でも面白い。

秋桜風に靡きて色散らす (茶々)
秋桜はコスモスのこと。コスモスと風の組み合わせはよくあるが、座五を「色散らす」したことで辛うじて類想句を免れた。「色散らす」は多分に主観的なもので、作者がそのように感じたのである。個人的な主観を俳句に持ち込むのは、私も大賛成で「わが意を得たり」と拍手したい。

今月も惜しいところで無点となった句が出た。どこをどうすれば良かったのか、皆さんと一緒に考えてみたい。

稲架掛田日暮れ飛び交ふ鳥数多 (無点) 
一見して推敲不足、もっと整理できると感じた。「日の暮れて稲架に飛び交ふ鳥あまた」

どんぐりを探し求めて庭先へ (無点) 
中七の「探し求めて」は可愛い孫のためとは言いながら、少し大袈裟過ぎないか。「孫のためどんぐり探す狭庭かな」

たいがいに夢から覚めて今朝の秋 (無点) 
上五の「たいがいに」が乱暴すぎる印象。それと11月句会に「今朝の秋」は如何なものか。「目覚めれば雀の騒ぐ今朝の冬」

煮詰れり三日続きのおでんかな (無点)
完面白い句だが、類想がありそう。「一人居やおでん煮るのも三日分」

盆踊り老若男女JAPONISM (無点)
11月なのに「盆踊り」を持ってくるのは如何なものか。それと所謂三段切れとなっている。英語が入るのは構わない。「外つ国の人も交えて盆踊」

追へば木に登り始める穴惑 (無点) 
穴惑と言えば蛇に決まっているが、読み手の側には不親切。「蛇追へば木に登りそむ穴惑」

炊きたての湯気も嬉しき茸飯 (無点)
特に瑕疵と言うほどの問題でもないが、季重なりを避けるために湯気をほかの言葉に置き換えて見てはどうか。「炊きたての香も嬉し茸飯」

アイビーの俳句鑑賞:完

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アイビーさん
拙句鑑賞していただき、ありがとうございます。
先日、写真屋さんで七五三の女の子とお母さん、お祖母さんに会いました。着飾った女の子は、それはおしとやかではにかむように笑っています。その様子を見ていて思い出したのが、息子5歳の七五三。ヒーローにでもなったかのようにかっこいい(と本人が思っている)ポーズを次々に繰り出し、少しもじっとしていない。写真一枚撮るのに大騒ぎ、小さい頃から女の子と男の子は違うなあと思ったのでした。
読者に伝えたいことを整理して、句を練り直します。ありがとうございました。

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