アイビーの感想 (その2)
アイビーの感想 (その2)
83未来図を語り出したる花筵 ABCヒロさん
ただの風物を詠むのでなく、どんどん話を発展させていくあたりが、俳句巧者の俳句巧者たる所以。満開の桜の下で若い人が花見をしているだけでは、読み手に感動が伝わらないが、そこから上手に発展させる手腕は見事。若いカップルと思しき二人が、未来図を語らせる。この突っ込みが俳句の呼吸というものだろう。
97六方を踏んではしゃぐ子花の宴 てつをさん
子どもは、知識を得たら吹聴したくなるもののようだ。歌舞伎の六方を憶えたはよいが、さあ今度は新知識を誰かに見せたくてしょうがない。たとえば、弁慶が「飛び六方」で引っ込む場面を実演して見せてくれる。子どもとは言え、なかなか堂に入ったもので、大人も感心して見ている。花の宴の座興とはいえど、子どもだって、やんやの喝采を浴びたら悪い気はしない。ますますノッて熱が入る。
以下は惜しくも採れなかった句
5 息吸つて吸つてわああと散る桜 (無点句)
レントゲン撮影のように、「息吸つて」とか、息を吐いて「わああ」とか、面白い表現と思った。
16【貸潮】風に散る花へ目をやり投了す
素人の将棋か囲碁か分からないが、実力伯仲、いわゆる碁仇同士である。敗色濃厚の局面、もはや時間の問題だ。潔く負ければよいが、さりとて忌々しい。そんな碁仇の心理をうまく表現した。似たような句を私もつくったので、旧作を披露してみたい。そのへんの蚊を打ち払ひ投了す
17【尾花】彼の要職剥奪したき万愚節
外国の大統領では如何ともし難いのだが、トランプという御仁、どうにかならんもんかねえ、とボヤきたくもなる。はた迷惑もいい加減にしろと言いたくもなる。タイムリーな話題を取り上げた。実際、時事問題は取り上げるのは難しい。時がたてば何のことか判らなくリスクがあるからだ。それをあえて挑戦した作者の勇気に敬意を表したい。
以下次号
アイビーさん、万愚節の句の鑑賞をありがとうございました。
おっしゃる通り時事問題は時がたてば何のことか判らなくなる・・・!ですね。
十数年前に、さいたま市の公民館で詠まれた『梅雨空に「9条守れ」の女性デモ』という句が反響を呼んだことがありましたが、これも時がたち受ける感情が変わりましたものね。ありがとうございました。