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スレッドNo.74

選句鑑賞

11城址へと続く片陰拾いゆく (森野) 6
   先ず季語の確認、片陰は夏の午後と。「拾いゆく」に感銘を受ける。ゆっくり目標に向けて歩を進める状況が目に見えるよ 
   う。城跡にたどり着き感慨にふける作者の姿も。
12 川泳ぎふりちん子らは皆老いし (和談) 3
   私は海育ち。年少時代は男女を問わずふりちん。突堤から突堤の100mほどが遊び場。漁船が行き来するので先輩が見張る。あ
   る時巻き込まれそうになったことも。皆ガキ大将の洗礼を受け自然に泳ぎを覚える。年長になるとふんどし姿に。セピア色の写
   真など見ながら感慨にふけっているのだろう。中には鬼籍に入った子も。ふりちんは辞書に無かった。
27 素のままの私で行かう菊挿芽 (ヨシ) 6
   「素のままの私」に惹かれたが下五の菊挿芽でストンと落ち戴いた。素直な句だが「私で行かう」に意志の強さが垣間見え
   る。味わえば味わうほど味の出る深みのある句と思う。
41 手放せば子は噴水へ走り出す (ABCヒロ) 9
   特選と迷った句。実に素直な句だ。情景そのままの句と思うが、親と子の心の繋がりが見事に生かされている。目に見えるよう
   だ。「手放せば」が心憎い。肉親だろうか。
44 子守唄小さく聞かす団扇風 (杏) 3
   「小さく聞かす」が団扇の柔らかい風と相応して生かされている。母親でないと作れない句だろう。何度つぶやいても胸に響く
   句だ。
70 口紅を奪ひしコロナ半夏生 (淑子) 5
    特選に戴いた。強い口調の中七が命。コロナに対する憤りが伝わってくる。女の象徴でもある唇、それを色採る口紅。全てマ
    スクが奪い取った。季語をみると「田植えの終期で梅雨の末期、豪雨を警戒する。」とある。不安な気持ち、適切ではない
    か。
82 逞しき生き様まざと姫女苑 (淑子) 1
   季語姫女苑は別名「犬よめ(女編に取る)菜」。とにかく名前に似合わず繁殖が強いと聞く。実景を詠んだものと思われるが「逞
   しき生き様」にその美しさとは別の強さがよく出ている。

6 1 向日葵や出来るまでする逆上がり(玉虫)4
   最後まで候補に残った句。何度読んでも良い句だ、元気が出る。孫のことが思い出された。こちらは自転車だったが。

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