年齢の違いによる不適切な行動の目的
Q0325
年齢によって不適切な行動の目的は変わるんですか?
A0325
ある程度そういうことはあります。今回の5つの段階(「ほめられたい」を含む)は、だいたい10歳くらいまでの子どもをモデルにしています。中学、高校になると、いくつか付加的な目標ができます。
例えば興奮する。ハイになるという目的。バイクに乗り回って興奮するとか。あるいは、その時期に非常に重要なのが、友だちと一緒にいるという目的。一緒にいて深い関係を持つというような目標が、不適切な行動の主な目的になることがあります。
しかし、結局5つの目標に到達します。例えば高校生の息子が、親の望まない友だちとつきあっている。「あんな友だちとつきあうのはおやめなさい」と親が言う。子どもはかまわずつきあっているということになると、親子の関係は権力闘争です。親の言うとおりにつきあうのをやめると負け、つきあい続けると勝ちという権力闘争です。
副次的な思春期的な目標ができても、親との対人関係を見る限りでは、5つの段階で説明はつくと思います。小学校に入ったとたんに無気力な子はいない。中学校に入ったとたんに無気力な子はいる。
回復するときは、必ずしも逆の順番をたどるとは限らない。無気力から突然「貢献」にジャンプすることもあります。
ある子どもは、高校1年生になって1週目に登校拒否を始め、ほぼ3年間家の中で無気力状態で閉じこもっていました。何度か就職もしたが続かなかった。ある飲食店に勤めたとき、経営者に非常に気に入られて、「君はこの店になくてはならない存在だ」と言われた。このとき、彼は変わった。生まれて初めて自分が必要とされていること、貢献感を持つことができました。そのとき、彼はまったく健康なパーソナリティーにジャンプしました。
そのように、無気力の状態から貢献を中心にする健康なパーソナリティーへ突然変わることもあります。途中一度も権力闘争とか復讐とかの時期を逆に通ることはなかった。(回答・野田俊作先生)