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スレッドNo.150

息子が「高校やめる」と言い出した。やめてほしくないならどう対処するか?

Q0356
 「課題の分離」について、もし息子が高校をやめると言いだした場合、やめてほしくないときは、どのような対処法がありますか?

A0356
 「やめてほしくない」と言う。以上。それでもやめるならやめるでしょう。
 中学までは義務教育です。誰の義務かというと親の義務です。行ってもらうために工夫する義務がある。学校へ行かないなら行かないで、違うところで学んでもらわないといけない。でも高校からは義務教育ではない。完全に子どもの人生の課題です。やめるんだったら、「そう」と言う。でも、外へ行かない人は家の手伝いをしなければならない。「学校行かない」「わかった。私は行ったほうがいいと思う。あなたが行かないならOKです。その代わり家にいる人は責任を果たさないといけないから、どういうお手伝いをしてもらえますか?」。だいたい家でできることは、掃除、洗濯、炊事、小さい子のお守り、お父さんのお守り?とか。どれでも好きなのを」。お母さんと同じように家事を分担してもらいたい。「将来また高校へ行く気になったら行ってもいいよ」と言う。
 日本、韓国、台湾は、中学出たら高校へ行く、高校を出たら大学へ行くのが当たり前になっている。ヨーロッパ諸国は違う。私は、あるとき、オーストリアを汽車で旅行したとき、若い男の子がコンパートメントに乗ってきた。何となく話した。英語が上手だし。スイスの子で、ケニアでアルバイトをして帰ってきた。高校へ1年間行って、学費がなくなったから、休学してケニアで1年アルバイトした。次の年、学費が貯まったから帰って、秋学期から高校2年生に行くと言う。1年でたぶんなくなるから、次の年はまたどっかへ行ってアルバイトする。スイス国内ではそんなに仕事がないから、アフリカとか行ったら、スイス人には仕事があるから。みんなそうするのが普通。親がお金を出す子もいないことはないが、普通の子は高校は自分のお金で行く。18歳になると、2年間徴兵があって兵隊へ行く。帰ってから続きを行くかもしれない。大学へ行くかもしれない。スペインからの留学生に聞いたら、「それが普通じゃないか」と言う。アメリカの人に聞いたら、アメリカは高校はわりと親が出すけど、大学は完全に自分のお金で行く。途中で休学して、次の年の学資を稼いで、また行く。社会問題になっているのは卒業年齢が遅くなること。30とか35まで大学にいるのが問題になっている。われわれものんびり構えましょう。「高校やめます」「そうですか。2年後でも3年後でも、社会勉強して、また行く気になったらになったら行こうね」。
 昔カウンセリングした男の子が高校をやめた。中学も不登校。1年足らずでやめると言う。お母さんパニックになった。「やめたらよろしいが」と言ってあげた。それで、「条件としては家の手伝いするか外で働くか。それならやめていい」ということにした。その子は外で働くことにした。中卒では大した仕事ないから、日雇い労務者になった。あれは稼げる。大阪の西成あたりで、日雇い労務者をしていた。半年くらい現場で働いていたら、東北なまりのおじいさんと同じ現場で働いていた。「若いのに、体も達者なのに、なんでこんなことしてる?」。「高校つまらんからやめた。親が働けと言うから働いている」。おじいさんが怒った。「何てことするんだ!中学しか出なくて社会に出ると、末はオレみたいになるぞ」。これは迫力があった。次の年から高校へ行った。社会の中で高校へ行く必要があるとわかればまた行く。何もわからないで高校行っている子が多い。いったいなぜ学校へ行かないといけないか、なぜ勉強しなければならないか、親もわかっていない。教師もわかっていない。なんで勉強しないといけないか?アドラー心理学はわかっている。世のため人のために役に立つ人間になるため。教育がないとエネルギーを使えない。教育があるとエネルギーを高度な形で使える。良い教育を受けていい会社へ就職しようと思わない。良い教育を受けて自分の力を有益に使える仕事をしたい。お医者さんかも、ラーメン屋さんかも、お巡りさんかもしれない。子どもごとに皆違う。
 阪神間の高級住宅地のある子どもが、超有名校に行っていた。夏休みにラーメン屋でアルバイトしてラーメンと餃子を作っていて目覚めた。「これが自分のこの世の使命だ、天命だ。私の天職はラーメン屋だ」と悟って、家へ帰って「学校やめてラーメン屋になる」と言ったら、両親がびっくり仰天した。両親とも高学歴で、良い会社に勤めて、子どもは一流私学の進学校へ行っている。そこから大阪大学へ来た子がいたけど、「恥ずかしくて同窓会に行けない。せめて京大か東大でないと、阪大ごときでは恥ずかしくて同窓会に行けない」と言っていた。そういう学校の子で、両親は頭にきたけど、「せめて高校だけ出なさい」と言って、子どもは「わかった」と、そうしたけど、大学へ行けないようにわざと成績を下げた。卒業はできるが、どこも進学できないほど下げた。卒業できる程度に下げて、無事ラーメン屋になった。今もやっている。
 自分の力を活かすために、学歴が必要なら学校へ行けばいい。必要なければ無理に行かなくていい。いつも個人個人個性があって、何がこの世で自分のすべきことかを探さないといけない。そのために学校が必要なら行きます。この子は今のところ見つけていないから、やめたらよろしい。(回答・野田俊作先生)

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