スピリチュアルタスク
Q0290
スピリチュアルなタスクとその他のタスクとの違いは何でしょうか?自分がスピリチュアルなタスクかどうか、どうやって見分ければよいんでしょうか?
A0290
見分けなあかんようならスピリチュアルではない。日本ではスピリチュアル(霊的・宗教的)タスクを問題にする学者と問題にしない学者がいるが、問題にしないほうがいいと思う。私(野田)はライフタスクは「仕事・交友・愛」で十分だと思う。「遊びのタスク」はつけ加えてもいい。「霊的なタスク」はつけ加えなくていい。なぜか?日本人はそれで悩まないから。そういう絶対的な存在と自分との関係が課題になるような事態に陥らない。日蓮上人が辻説法をしていたときとか、天草のキリシタンが磔刑になったときには陥ったと思う。ここでカトリックやめて仏教に転向したら命が助かって、カトリックのままなら死んで、「どっちにしようか」ならスピリチュアルなタスクで、そんなの普通はない。スピリチュアルタスクはいつもそういう状況で出てくる。
というのは、アドラー心理学は、ユダヤ人が作ってユダヤ人が担っている心理学だからです。ユダヤ人は絶えずこのスピリチュアルなタスクのまっただ中で暮らさなければならない。世界中どこにいても。例えば、正統的なユダヤ人はユダヤ人が調理したものしか食べてはいけない。聖書にそう書いてある。アメリカのスーパーマーケットへ行くとマークが付いている。チキンラーメンでも付いている。「ユダヤ人が作りました」と。小麦を作るところから全部ユダヤ人が作っている。日清食品が工場を作っても、教祖(ラビ)が調べて適性マークをくれる。それしか食べてはいけない。それがない土地へは行けない。学校給食なんてもってのほかで、異教徒が作った食べ物だから子どもに食べさせるわけにいかない。それが彼らのスピリチュアルタスクです。日本では、“物見の塔”の人が輸血拒否をする。あれはスピリチュアルタスクです。昔、モルモン教の女の子の精神障害者を担当しました。彼女はあることでモルモン教の戒律を守れない。それが彼女の悩みだった。モルモン教徒は戒律が多い。ジェーン・ネルセン先生も、もとモルモン教徒で、彼女は水しか飲まない。ウーロン茶は飲んでいたけど、モルモン教徒はコーヒーを飲んではいけない、コーラを飲んではいけない。刺激物を摂ってはいけない。戒律がすごく多いので困っていた。
そういう、生活に支障をきたすものです。宗教というのは、それを信じることで普通の生活ができなくなるもの。みんなから変な目で見られるとか食べるものを制限されるとかいうのが宗教で、そうじゃないのは宗教じゃないから、そんなんはないで、普通。日本では深刻に扱わなくてもいいじゃないですか。(回答・野田俊作先生)